2022/10/31

【利上げペース鈍化】期待上げ、この反発は、続かない







第三四半期の企業決算も佳境に入り、GAFAMなどが暴落しているにも関わらず比較的堅調な直近の株価指数。11月の利上げ以降はFedの利上げペースが鈍化するのではないか?という期待から、投資家心理の若干の改善が背景にある。果たして最悪期を脱し、株式市場は大底を付けたのか?それとも一時的な反発に過ぎないか?私の見解を解説していきたい。



夏の休暇シーズンに大きく上昇していた株式市場。しかしながらFedの利上げ見通しが、3,75%から5%付近に大きく上昇したことで、8月末から9月までは大きく下落し、一時的に今年の安値を更新していたNY株式市場。しかし5%までの利上げ予想を消化し、11月の0,75%の利上げでFF金利は3,75%~4,00%となることから、利上げペースの鈍化と利上げ終了を見越して、株式市場は反発している。ここまでが現在までの相場概観だ。





ここからは今後の見通しだ。市場の思惑通りFedの利上げは、来年以降鈍化する可能性が高い。例え12月のFOMCでもう一度0,75%の利上げが起ころうとも、大幅に利上げ見通しが引き上げられる可能性は少ない。中央銀行が引き締めを行ったからと言って、すぐに実体経済にその効果が波及する訳ではない。実体経済にその効果が表れるまで時間が掛かるのだから、暫くは様子を見たいというのが本音だろう。その後は先々の経済指標次第だ。



ではその先々の経済指標はどうなるのだろうか?インフレも金利の上昇も企業や家計、個人の体力をジワジワと奪う。企業はインフレでコストが増大しているにも関わらず、金利の上昇で借り入れコストが増え、それが業績の低迷に拍車を掛ける。アメリカの企業は低金利を良いことに2000年代以降はレバレッジ経営が主流だ。


それでもアメリカ国内での売上が大半を占めているならマシな方だ。GAFAMの様に海外からの売上が占める割合が高い企業は、厳しい経営環境に為替の悪影響も表れる。ドル高ではアメリカ企業の海外からの売上は目減りする。今回の決算でGAFAMが暴落しているのは、Fedの利上げにより為替がかなりドル高に傾いたためだ。





因みにだがGAFAMが暴落しているからと言って、飛び付くことは全く推奨しない。30年ぶりとも言われるクッソ安い円でドル建て資産を買って、報われる訳がない。特に長期での保有を考えているなら。そもそも為替もFedの利上げペース鈍化を見越して動いており、ユーロドルの方はパリティー近辺で頭打ちっぽい。ドル円は政策スタンスの違いからもう少しオーバーシュートしてもおかしくないが、利上げ終了が意識されればこれも頭打ちだ。つまり今ドル建て資産を買っても短期的ならともかく、長期的には報われない。例え運良く株価が横ばいでも、為替が逆に動けば。。。


せて、「運良く株価は横ばい」と書いたが、これは株価がこれ以上下がらないと言っている訳ではない。そもそもインフレが続く以上、企業も個人をコストが嵩みそれが台所事情を悪化させる。またインフレが続く以上、FF金利は高止まりするのだから借金の利払いが嵩み懐事情は火の車だ。つまり企業の業績は悪化し続けるのだから、「運良く株価が横ばい」とは、下落した後、運良く株価が買値に戻った場合だ。それでも為替が逆に動けば、30年振り円安の制裁とやらを受ける事になるだろう。


ここまで読めば分かると思うが、インフレが続く限り、コストアップで企業の業績は悪化し続け、FF金利が高止まりすれば、借り入れコストの上昇により利払いが増え利益が削られる。市場はインフレが長引いた場合やFF金利の高止まりが与える影響をまったく考慮していないか、インフレや高金利が与える影響を楽観視しすぎだ。





インフレはしつこいし、インフレスパイラルは継続する。今皆さんの周りでも起こっている事だが、労働者はインフレにより失われた購買力を回復させるため賃上げを要求するし、企業はコストアップで失われた分の利益を回復させるため商品価格を上げる。財やサービスの価格が上がるということは、労働者の購買力はこのままでは低下するのでさらなる賃上げを要求するし、政権も民衆の支持を取り付けるため企業に賃上げを要求したり最低賃金を引き上げる。労働コストの上昇は、企業の利益の低下に繋がるのでさらに商品価格にコスト上昇分は転嫁される事になる。インフレスパイラルはエンドレスだ。何もしなければ。。。



インフレスパイラルを止めるためには、誰かがドミノ倒しの犠牲、人柱とならなければ止まることは無い。上で「政権は民衆の支持を取り付けるため賃金引き上げに動く」と書いたが、インフレスパイラルはこのままでは当然止まらない。賃金の引き上げに動く行為は、インフレを助長する行為に他ならない。またインフレで低下した購買力を補うために、ガスや電気、ガソリンなどに補助金を投入する行為も当然インフレを助長する。まるで火事で苦しんでいるのに、火に油を注ぐ行為は滑稽だ。


コロナショックの財政出動が今のインフレの元凶なのに、擦りすぎた現金が溢れかえっているこの現状の解決策がさらに現金を刷ることというのは、油に引火し火事になっているのに、消火するために油を注ぎ込んでいることと全く同じだ。政府がやらなければいけないことは、インフレに対処するために税金を投入することではなく緊縮財政で擦りすぎた現金を回収することだ。バカな有権者はそれでも現金がばら撒かれ喜んでいる様だが、それは貴方方の借金で利子を付けて返す事になる。インフレとして。。インフレは、ばら撒かれた現金以上の返済を要求するだろう。。。






さて、インフレスパイラルを止めるために誰かが人柱にならなければならないと書いたが、誰でしょう?企業が財やサービスの値上げを止めるのか?それとも政府がバラマキを止めるのか?因みに政府が企業に財やサービスの値上げを抑制するのは全く逆効果だ。インフレを解消するためには需要を引き下げるか、供給を増やすしかない。財やサービスの値上げを抑制することで、供給は増えるのか?答えは逆で供給は減るのでインフレは悪化する。儲からないどころか、損失を出してまで企業は生産しないので、もし価格に上限を設けた場合生産は低下する。逆に価格上昇を容認した場合、企業はより多く儲けるために生産を拡大するためインフレの抑制に働く。



では政府がバラマキを止めたり、インフレスパイラルを止めるために、賃金の上昇を禁止すればインフレは止まるのか?もちろんインフレスパイラルは止まるが、政権の息の根も止まるし、そんな政府は誰も望んでいない。しかしながら誰かが人柱にならなければインフレは止まらないし、誰かが市中の現金を回収し、賃金の上昇を禁止する様な汚れ役を引き受けなければインフレは止まらない。みんなが仲良く消費している限りインフレは止まらないのなら、誰かに消費を止めさせれば良い。いや、良くはないが犠牲は必要だ。



インフレ、利上げに伴い企業の業績は今後も悪化を続けるので、例え利上げペースの鈍化で一時的に上昇していようとも、最終的に株価は業績に収斂する。FF金利もインフレが収まるまで当然高止まりすると考えた方が懸命だ。企業の業績を支える様な物は皆無だし、そもそも下落相場とは、利上げが終了するまで続くのではなく、利下げ緩和される事で終わりを告げる。総じて第三四半期決算は業績の悪化程度で済んでいたが、この程度ではインフレは解決しない。多くの企業が赤字決算を連発し、社会全体で消費出来なくなり、需要が低迷しなければならない。今は当然その段階にないので、中央銀行の引き締め相場は継続する公算だ。





さて、政権はインフレ抑制には動けないしどちらかと言えばインフレを助長している。企業も価格アップしなければ生き残れないし、価格を抑制し倒産しようものなら供給はさらに減る。つまり企業の価格アップはインフレの助長と抑制の両面を持つため、市場原理に逆らう様な事はインフレの解決にはならない。


では誰がインフレを退治するのか?割りを食う残念な人柱は誰なのか?もちろん政権のような民衆の人気取りなど関係ない、民間企業の中央銀行が溢れた現金を回収し人々に消費を諦めさせれば良い。いや、良くはないが人柱も時には必要だ。中央銀行の存在意義は人々に消費を諦めさせることで経済成長は関係ない。


そもそも経済が成長するものだと考えるのが間違っているし、経済は成長しなければいけないものだと決め付けるのも間違いだが。Fedの責務とは物価の安定と雇用の最大化だが、当然そのどちらかが優先される時もある。パウエルさん、ボルカー氏の様に歴史に名を残すチャンスですよ。。まあ自分で火を付けそれを消火し評価されるのか?それでノーベル賞が取れるのだからしょうーがない。。。まあバーナンキ氏は時の大統領ブッシュ氏に責任を押し付けたから、民主党のバイデン政権のバラマキのせいにすれば後世に評価されるか?うまく逃げ切れると良いな、パウエル!!悪い大人や金融業界を代表して申せば、山を出来る限り高く盛り、谷は出来る限り深く削り取るその姿勢を評価していますよ!!





取り敢えず今年あと2回の利上げでFF金利は4,5%ほどまでの上昇が織り込まれており、2年物米国債の金利も4,5%でそれを裏付ける。そして市場予想の利上げは5%だ。しかしながら状況次第では当然この水準が長引くし、市場が間違っていればFF金利のピークが6%ほどまで引き上げられるかもしれない。しかしながら結果は同じで、あとは早いか遅いかの違いだ。つまり企業の業績の悪化は避けられないし、それは赤字決算を連発し、社会的に消費出来ない状況にまで追い込まれなければインフレスパイラルは止まらない。


さて利上げペースの鈍化や利上げ終了を見越して反発している株価指数。もちろん利上げはまだ続くのだから、その間はドル高基調だし束の間の休息とも言える現在の株価の反発で、直近暴落したGAFAMでも拾ってチキンレースを楽しむのも人それぞれだ。11月のFOMCが転換点になるか?はたまた中間選挙で民主党が大敗し打ち上げ花火が上がってからか?


しかし本命は当然上がりきったところでのハエ叩きだろう。夏も終わったのにいい加減五月蝿いですね。そしてインフレサイクルのドミノ倒しを止めるのは、企業でも政府でも中銀でもなく、社会的に消費できなくなり需要を蒸発させる事だ。そう、今この記事をここまで読んだあなた、人柱は当然あなた達だ。アーストラビスタ、ベイビー。。。



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1 件のコメント:

  1. こんばんは。

    ①VOO、VTIが全体の半分、残り半分が
      個別株です。
      マイクロソフトト10%、アマゾン10%
      があります。アマゾンは含み損。マイクロソフオtは
      含み益。
      どちらも年末に売却して、個別株を買うとしてら、
      何が良いと思いますか?あるいはVTIを買い増しするの   が良いでしょうか?

    ②米国債券ETFを、どこかでドンと買うのは、どうでしょうか?

    ③テスラ、長期投資対象として、どう思いますか?

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