1オンス1800ドル、つまり31グラム当たり20万円ほどの値を付けたゴールドの進撃が止まらない。そろそろ2011年、ギリシャショック時につけた市場最高値も目前に迫る。背景には各国の中央銀行によるゼロ金利、量的緩和がある。一体どこまで上がるのか予想してみる。
なぜゼロ金利、量的緩和でゴールドが上がるのか?もちろん根底にあるのは、皆さんご存知の通り、通貨が希釈化し価値の保存が出来ず下落しているからである。極端な例で言えばジンバブエドルの様に、紙幣を刷りまくれば通貨の価値は下落する。
もちろんゴールドは利息を産まず、企業の様にベネフィットをもたらすことは無い。つまりゴールドを保有する最大の目的は価値の保存だ。ニクソンショックでドルとゴールドの交換が停止されて以降、我々の市場経済は総フロート性で絶対的な価値というものは存在せず、すべて相対的な価値となっている。つまり通貨の価値は為替で動くし、ゴールドの価値も通貨に対して上下する。
そんなゴールドが絶対上がると言われる局面がある。それが、
1、インフレ下
2、ゼロ金利
3、量的緩和
つまり『今』である。つまるとこの通貨(米国債)を持っていると価値が毀損する時だ。もしあなたが賢明な投資家なら、増資に次ぐ増資で新株を発行しまくり、一株あたりの価値が下落しまくる残念な企業の株は買わないであろう。
これは国でも変わらない。日本株式会社がその株式に当たる日本銀行券を発券しまくり、増資に次ぐ増資で価値がドンドン希釈化しているのである。もちろんアメリカ株式会社の株式、インゴッド・ウィートラスト証券も新株発行の増資により価値の下落が止まらない。
ではどうやって資産を守りましょう?簡単である。増資が続く間、他の資産と交換しておけば良い。
ゴールドのドル建て、月足チャート
2011年のギリシャショックで最高値を付けたのが天井で、その後は堅調な経済や量的緩和の終了、利上げの噂が取り沙汰され4年ほどの下落相場。そしてボトムの1100ドルを付けた後は、「そろそろ景気に陰りが出るのではないか?」という期待感から底堅く推移していたが、昨年のFedによる利下げから徐々に上昇していた直近のゴールド。コロナショックによるゼロ金利、量的緩和で遂にエンジン点火に至る。
ではどこまで上がるのか?すでに答えは出ている。量的緩和が終わりを告げるまでだ。量的緩和の出口が見え、金利が上昇し、Fedによる利上げが意識されるまで上がるだろう。具体的な数字を示せば上昇期間は3年弱、価格は3300ドルだ。
金融資産の性質として、下落する時は高値の3分の1、上昇する時は直近の底の三倍と相場が決まっていてだな。ほら「半値八掛け二割引」とかよく聞くだろ?もちろんリーマンショック後のゴールドの上昇相場も直近の底である600ドルほどから三倍の1800ドルまで3年ほどで到達した。歴史は繰り返すのか?
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ではゴールドや金鉱株ETFを買っておけば間違え無いのか?大間違えである。確かに現金を保有するよりはマシだが、ゴールドがもっとも価値の上がる金融資産とは言えない。こっから2倍ほどの3300ドルまで金価格が上がったとしても、同じ期間でもっと上昇する金融資産があるはずだ。
直近の傾向を見てみよう。コロナショックの安値からゴールドが30%上昇する間にテスラは三倍、アマゾンやアップルはすでに2倍近くになっている。つまりゴールドが正解とは言えない。金鉱株ETFに至っては、2011年の最高値から随分と低い位置にある。
GDX、月足チャート
今回のコロナショックで資金を投入しそこねた、あのタヌキ爺すら言っている。「金は利息を産まない」。
ゴールドラッシュだからと言ってゴールドを買えば儲かるとは限らない。1848年のカリフォルニアのゴールドラッシュで一番成功したのは、採掘者にテント生地で作った丈夫なパンツを販売したリーバイスだ。
さて、あなたはどの資産を持ちますか?
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