2018/12/27

未来からやって来た男



もし未来からやって来た男がこう言ったとしよう。
「一年後に暴落が起こる」
こうなると人々はどうするのか?
もちろん暴落が起こるのを判っているので、
今から投資する人は居なくなるし、
今すでに投資している人は、資金を引き上げるだろう。
そう、暴落は今起こってしまうのである。

で一年後はどうなるのか?
もちろん何も起こらない。
すでに起こってしまったのだから。
そうなると人々はどうするのか?
引いた波が、返すのである。。。



翻って現在。
長短金利差が逆転すれば、景気後退に陥り、
株価が大暴落すると言われている。
人々はどうするのか?
上記のケースと全く同じことをしてしまうのである。
つまり、暴落するのが判っていれば、
誰も投資しないし、資金を引き上げるのである。
つまり、暴落は今起こってしまうのである。

では今、暴落が起こればどうなるのか?
資産価格が減少し、企業の業績が悪化、
個人の財布の紐が固くなり、景気後退に陥るのである。
景気が減速すれば、利上げする理由がなくなったFRBは、
緩和的に方向転換するのである。

あれ?長短金利差、逆転しなくね?
長短金利差が景気を後退させ、
株価の暴落を引き起こすんじゃなかったの?
これじゃ、逆じゃね?
そう、大衆心理こそが、景気や相場を動かすのである。
金利差が逆転しないため、金融機関の信用不安は起こらず、
相変わらず、信用創造や流動性に問題は無し。
あれ?いつもと違うくね?
諸悪の根源の金融機関が?
さすがバフェット、最近金融機関を買ってるって聞いたが。。。

しかも、中途半端に現金ばかり保有し、
いたずらに、時間を浪費し、機会損失を生んでいる。
しかし、大暴落が来るはずなんだけど。。。
景気も悪いし。。。かと言って失業率は相変わらず低い。
資産価格の減少で、企業のバランスシートは悪化しているが、
CFは大して変わっていない。企業は相変わらず儲けている。
まあ中には、のれんの減損処理をしたり、
資産価格の損失を計上してくる企業もあるだろうが。。。



予定より早く調整が来てしまえば、
落差が大きくなる前に、あく抜けしてしまうので、
期待通りの大暴落は起こらないのである。
しかも、金利差は逆転せず、投資家は現金を持て余している。
現金がある時には、大暴落は起きないのである。
暴落を作るのは、買い方の投売り。
暴騰を作るのは、売り方の踏み上げ。

その後、投資家はどうするのか?
大暴落は、待てど暮らせど一向に起こらず。
じりじりとインフレ圧力に焼かれながら、機会損失に耐えるのである。
そして少しずつ、安定したFCFを担保に投資を再開するのである。

上記の仮定で、二人の投資家が居たとしよう。
1、何もしなかった男、配当は再投資。
2、損失が出始めてから慌てて投売りし、
その後少しずつ投資を再開した男。

結果どうなったのか?
1の男に機会損失は無し、一時的に評価損はあったが、
安い所で買い増しをして、資産を積み上げ、
株価が戻って来た時には。。。

翻って2の男、損失をしっかり計上したものの、
売ったところがすでにかなり割安な水準。
もちろん配当無しで、その後も機会損失を垂れ流す。
株価が戻って来たころから、再び投資を再開。
少しずつ資金を入れて行くのである。。。



結論、
1、配当は正義。
2、バフェットは大抵正しい。
3、未来は踊る。

もうね、ブレグジットの行く末を見届けたあたりで、
掌を返されそう。3月のFOMCになるか?6月か?
3月に利上げが無くなれば、盛大なちゃぶ台返しへ。
また金利差の逆転期間や逆転幅次第では、
金融機関の信用不安は起こりがたい。
そもそも、バブルも無理な貸付も行ってないやろ?
担保の価値が大幅に毀損し、債務者が弁済できなくなり、
金融機関が取りっぱぐれるなんて、あるんですかね?
金融機関のバランスシートが大幅に悪化し、
取り付け騒ぎが起き、誰も金を貸さなくなる様な?
未来のことは、トラ様のみ知る。

3 件のコメント:

  1. ドルから円転のコメントありがとうございました。
    迷う場合、半分というのはナルホドと思いました。
    後悔して感情が揺さぶられるのは日々の生活にも良くないですし。

    SP500が2100になったら、少しリスク高いものも許容とは、
    以前書かれていたGOOG、SBUX、INTCの他には、V、MA,
    MSFTあたりも該当するものですか?
    稼ぎがあるというのは、どういう意味合いが知りたいと思い・・・。







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  2. ねこちゃんファンド2018年12月29日 19:30

    いつも参考になる記事をありがとうございます。
    私は日本株中心ですが、投資に対する考え方等いつも勉強させて頂いております。
    来年もあきんどさんのブログ更新を楽しみにしております。
    良いお年を!

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  3. まいど、賀正新年。
    参考になるかどうかは置いといて、、

    もし買うなら、、、
    1、担保が確実にあること。
    2、低PERで未来のリターンを押し上げる可能性が高いこと。

    まだファッション銘柄は、早いですぜ。
    もし、ポートフォリオにこれらの銘柄があれば、見栄えは良いんですよ。
    ただ見栄えよりも、確実なリターンをあっしなら取りまっせ。

    買うのは、先々の経済動向や、その時の株価によりけり。
    まあトラ様とFRB次第かな?
    SP500が2100なら、廃れたファッション銘柄も出てくるとちゃうん?
    今は、「VもMA欲しいんやけど、どないしよう?」って感じかな?

    しかしSBUXは絶対買い直す。多少高くても買い直す。
    ありゃボロイ商売やで。5セントの魔法の粉を5ドルで売っちょる。
    もちろん景気後退局面では、ラテマネーは削られるんで、まだ早いんやけど。。。

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