2019/12/25

人々が通貨に不安を抱く時




NY指数は堅調に推移しています。投資しないことによる機会損失やインフレで通貨価値が目減りしていることを頭の中では理解していても、高値圏にある株式を買い上がることに抵抗感がある投資家も多そうです。


ただし実体経済を照らし合わせれば、現状の株価は割高とは言えないです。私なんかは割安と感じるくらいなのでww。このちょー慎重な私が割安と感じ、全力で相場に張っている状態ですよww。そもそも利下が意識される時や利下げ局面では、株式市場から債券市場に資金が流れやすいので、慎重にならざる負えないのですが。

それにしても利下げの終了に伴い現金割合を増やしたり、利益確定をした残念な投資家は何なの?死ぬの?普通逆でしょ?利下げ局面では債券市場に資金が流れやすいため慎重に、それ以外の局面では株式へ資金が流れやすいため現金を多く抱えるべきではないのですがww。





なぜ割安と言えるのでしょうか?それはインフレ率以下を推移する米10年物国債金利やFRBによる市場への資金の供給。Fedが利下げを停止したことで債券市場から株式市場へ資金が流れやすいこと。そして昨年末から一気に半分になった金利水準により、企業は何もせずとも借り入れ資金を借り替えるだけで、財務状況を大幅に改善できることなど。まあ全部金利次第と言えるのですが。

10年物米国債金利、月足チャート




30年以上続く下落トレンドを脱しつつあり、直近の10年間で下限1,5%のラインで三度弾かれるトリプルボトムを形成しています。斜めに引いてあるラインになるのですが、弱気相場のトレンドライン上限が、直近のボトムとして機能しました。


つまり直近の10年間では三度金利が下がった次期があったのですが、2012年付近、2015年付近、2018年から現在までと。そして金利が下がった局面ではやはり株式市場は停滞していました。2018年の年初に起きた大幅な下落から昨年末の暴落、そして最近になってやっと停滞トレンドを脱したのは記憶に新しいですね。

SP500、月足チャート




2012年、2016年、2018年と、やはり金利が下がる局面では、債券市場へ資金が流れ、株式からは資金が逃げるので停滞していました。今はその停滞局面を脱したばかりです。金利が半分になり歴史的に見て低い水準にある金利が、企業業績に反映され、実体経済に反映されるまではもちろん時間が掛かるため、現状の最高値圏にある株価から計算したPERなどのファンダ指標では株式は割高に見えてしまうのも無理はありません。


因みに米国企業はPBR10倍なんて当たり前のレバレッジを使った効率的経営を行っているので、金利が半分に落ちるだけでものすごく負担が軽くなるのですがww。PMなんかはFCFを担保に借金をしまくって負債超過だったような?つまり純資産がマイナスで、PBRは測定不能を示すゼロ以下。つまり金利が低下しただけで、利益を圧縮していた固定費である金利の支払いから開放され、利益が増えるとww。


しかしながら心理的に買い辛い株式や、インフレに焼かれ機会損失に怯える現金や債券を持つのも辛いため、逃げ道として最近低迷していた相対的に小さい市場であるゴールドや金鉱株にも資金が回ってきているようです。つまり現金では価値が保存できないのではないか?という不安が若干感じられると言えそうです。

ゴールドUSD、日足チャート




50日移動平均線や75日移動平均線を上に抜けるゴールデンクロスにより買いが集まっています。しかしいくら人々が通貨に不安を抱こうが、ゴールドに殺到するほどの局面とは言えず、どちらかと言えば投機的な資金や行き場を失った資金が流れている程度と言えそうです。今現金をもっていることに危機感を抱いている人なんていないでしょう?まあジンバブエドルやトルコリラ、アルゼンチンペソ、ボリビアボリバルでも持ってりゃ全力でゴールドかUSDに交換しますがww。


因みにゴールドが上がりやすい局面は、利下げにより金利が付かなくなり、尚且つインフレにより通貨の価値が目減りする時なのですが、現状には当てはまりません。インフレは弱く、利下げは終わったので。。。まあ比較的小さい市場なので、行き場を失った資金がちょっと流れれば上昇するのですが。しかし今回の上昇には決定的な要素である『通貨に対する不安』が欠けています。我先にと通貨を投げる局面ではないですね。

金鉱株ETF、GDX日足チャート




やはり値動きは限定的で、今年5月以降の利下げが始まった時のような上昇は期待できないでしょう。ゴールドは供給が制限されるため価値の保存はできますが、長期的には金利が付かず複利が利かないので利益まではもたらさないと言えます。


現状は通貨がゴミとは言えず、ゴールドの輝きも暗いため、もう少しゴールドが輝き始めてから投資してもいいかもしれません。まあ長期で保有する資産ではないのですが、不安定な局面ではポートフォリオに安定をもたらします。つまりFedが利下げを開始する時、もしくは利下げが意識される時となるのですが。。。


もし今運用先を探すなら株式以外に選択肢は無いと言えるでしょう。不安なら個別株は避け経済成長そのものを買うDJIがお勧めなのですが、SP500に連動するETFでも構わないでしょう。ちなみに現金を抱えているということは、インフレも経済成長もマイナスであることに賭けていることに他ならないのですが、現状を大きく逸脱しているため間違っている選択肢と言えるでしょう。現金を抱えて良い時は、マックのハンバーガーが100円から65円となる時で、逆に130円と値上がりする時ではないですね。



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5 件のコメント:

  1. 初めまして。母方のおじいちゃんが浪速の商人で、かなりのもんだったらしいどす。ただ、空襲で家も店もパー。持ってた広大な土地も戦後のどさくさで親戚にも取られ、母親が300歳くらいまで遊んで暮らせる大金も政府の預金封鎖&ハイパーインフレでパー。引き出せたお金で買ったゴムがめっちゃ値上がりで、ちょっとは気休めになったとか。自分は、株、どっちかというと長期で持てないタイプどす。火薬じゃないですがTNA(小型ETFブル3倍)を半分以上買いました。気が気じゃ無いどす。どう思われますか?よかったらコメントしてください。

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    1. 久々にとても良い話を聞けました。GHQによる農地解放、財閥解体、その後のハイパーインフレ、見ず知らずの他人に土地を分け与えるよりは、身内に分け与えた人情、祖父は懸命な判断をされましたね。そしてその後の戦争特需から、もはや戦後ではないの経済復興。

      昔は一円でも大金で、その下に補助通貨の一銭一厘と続きました。江戸から続く豪商なら、そこらへんの殿様より金を持っていたそうなんで、戦前まではその父系も多そうです。

      ボラリティーの高い小型で、ましてやブル三倍、もしベア三倍ならすぐ降りることを進めますが、相場が過熱気味とは言い難いので、変動に耐えられるのならば暫くはホールドですね。ただし長期ホールドには向きません。もし利益を引っ張りたいなら直近高値の90か節目の100前後でしょうか。そこまで到達したらその後はその時の環境次第。金利はまだ低いので大丈夫ですが、金利が上がった時は要注意。今回の上昇トレンドはびっくりするくらい上がってもおかしくないので。

      ただしリスクの高い投資は今回で最後にし、ペーパーアセットだとついつい投機的になりがちなら、不動産でもよいかもしれません。

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  2. 日本株でもレーティングで右往左往する人が多いですが
    米国株でも同じみたいですねぇ。
    証券会社の誰かが割高かも・・来年は退屈かも・・
    著名な誰かがソレっぽい事を指標交えて言ったら、
    マジかぁ!!やべぇ!!とか
    自前の頭は無いのか?って思います。
    言った奴の息が掛かった人間に拾わせる為でしょ?
    そんな事も解らんのかね?ww

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    1. レーティングなどの突発的なニュースで真っ先に反応するのはAIを使ったロボットトレーダーです。こいつら反応早いんでまず勝てませんよ。そして追随してきた人間の玉にぶつける形で利益確定。昔は速報などにいち早く反応すれば勝てた時代はあったかも知れませんが、今は情報の出所が多すぎて、人間では網羅できません。しかしAIなら万遍無く把握できるので強いですね。人間と違って24時間戦えますし。最近良く聞く大手金融機関では600人いたとレーダーが現在は2人になったとかってやつですね。もちろんここに個人の入り込む余地はありません。

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  3. 早速のご返答ありがとうございます。今一番気になるんが、有名なこれどす。https://www.newyorkfed.org/research/capital_markets/ycfaq.html#/interactive 
    逆ザヤから、イールドカーブが立ってきたときの過去のㇾセッション。
    それとこれ。https://info.finance.yahoo.co.jp/fx/marketcalendar/detail/9021
    このまま下落トレンドなら一年以内に、景況感の境目の48ぐらいを下がりそうどす。血が騒ぐ毎日です。

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