10月1日 - 売買システムで株価など相場情報の配信に障害が発生、午前9時の取引開始から全ての銘柄で売買が終日停止された。また、同システムを利用しているため、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所も同様に売買が終日停止された。
一時全銘柄取引停止と言うのはわりかし良く聞くが、終日全銘柄取引停止というのは聞いた事がない。たしか周辺で停電が起きてもバックアップ電源に切り替わり取引を継続できるとか、大阪にある予備に切り替わるとからしいが。。私が知っている中で終日取引停止になったのは同時多発テロでNYESが休場になった時くらいだ。。国内ではないが。。そういや直近のコロナショックでも、サーキットブレーカー連発で余りにもボラリティが高いので、市場が閉まるのではないか?という風の噂が聞かれましたね。結局閉まりませんでしが。。
参考
一応調べてみたら、国内の証券取引所が終日全銘柄の取引停止に陥ったのは史上初との事。一時的に全銘柄が取引停止になったのは過去2回あったらしい。真っ先に思い浮かぶのがライブドアショックだろうと思ったら、やはりそうだった。下記の通り2005年と2006年の2回だ。
2005年(平成17年)
11月1日 - コンピュータプログラムミスにより、全上場銘柄の取引を一時停止
12月8日 - みずほ証券の誤発注したジェイコム株の注文を取り消せず、ジェイコム株大量誤発注事件となる
2006年(平成18年)1月18日 - ライブドア事件で大量の売り注文に対し、リアルタイム処理が追いつかず、全銘柄取引停止
東証のシステムは2台体制で、通常ならどちらかが壊れてももう一台に引き継がれ停止することは無い模様。今回は一台壊れたが、2台目の引き継ぎが上手く行かなかったらしい。
通常であれば1号機に異常が発生しても2号機に自動的に切り替わる設定になっているはずだったが、何らかの理由で切り替わらなかったとしている。東証は2019年11月にarrowheadを刷新したばかり。現システムの稼働から1年足らずで今回の障害が発生した。
で、誰がどのくらい損するのか?まずは投資家。取引できなだけで特に損は無し。何か突発的なことが起こっても逃げることは出来ない。もし起これば明日十分に価格に織り込まれた状態で取引することに。
次に国内証券会社。東証の売買代金が1,5兆円ほど。そのうち投資家が支払う手数料は0,5%ほどだが、売り手、買い手ともに0,5%支払っているので、両手で1%ほどの手数料だ。つまり150億円の機会損失。デリバティブや外国株の取引は出来るのが、大半が国内株式から上がる手数料なのでこの損失は決算で明るみに出るだろう。まあ今年はコロナ特需で売買が膨れ上がったので良いんじゃね?
最後に日本取引所グループのJPX。同じシステムを用いているため名古屋、札幌、福岡も取引停止。まあ99%東証が取引の主体なんじゃね?知らんけど。証券会社で集めた注文を東証で付け合わせるが、証券会社が東証に払うのは売買代金の0,1%ほど。つまり1,5兆円の取引に対し15億円ほどの収入が消えた計算。日本取引所グループは上場しているので調べてみたらやはりこんなもんだろう。
売上高 連結:1,207億11百万円
単独:411億19百万円
(2018年3月期)
最後に泣きを見るのは間違いなくシステムエンジニアだろうww。ほぼ2連チャンで徹夜確定。明日のアローヘッドの動向次第では、三連チャンも有り得る。証券会社も東証もお怒りだ。上記の通り多大な損失を被るのだから。誰かが泣きを見るのは当然の報い。まあ今頃、半ベソかきながら必死になってシステムをデモ稼働させている頃だろう。
はっきりていって東証のシステムエンジニア達は今日の朝は生きた心地がしなかったのではないか?なんせ我が国の経済の根幹を止めてしまったのだから。クッソ焦って混乱しているのが目に浮かぶ。多分週末も徹夜で、1号機から2号機へのシステム移行がテストされるだろう。。。今回切り替わらなかったのが原因でもあるので。。だからあれほど「ハードやシステムをいじるのは時間がある週末に行い、それ以外は簡単な保守程度に留めなさいと」言われてきたにも関わらず。注文情報が勝手に取り消されている可能性があるのでご注意を。
因みにNY市場の動向は、週明け後に窓を開けて上昇したのですが、その窓が閉まってないので遅かれ早かれこの水準まで戻って来るでしょう。こちらを参考に。。
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