2019/06/27

米中貿易戦争、米中冷戦、中国の焦りとプライド




『中国の習近平国家主席は米政府が一時休戦で合意することをトランプ大統領との会談の条件としていると伝えた。』

え?会談するだけで、休戦にして貰えると、中国側は本気で思ってんの?アメリカが簡単に引くとは思えない。確実に焦土戦の焼け野原となった後、ポツダム宣言の受諾になるような気がしてならない。

そもそも2018年末にもまったく同じ話が上がったような。3ヶ月間の休戦でその間に決着を付けるとか。で結果がアメリカの追加関税と中国の報復関税。今回もこれ。そもそも一時休戦って、いったいいつまで?まさか今週末のG20の間だけ?大方9月くらいまでは、休戦になってもおかしくないが。トランプ氏としても、夏休みは楽しみたいはずwww。そもそも、しばらくは株価を維持したいはず。だって大統領選に備えて、株価を上げたいでしょ。今落とすのは早すぎる。年末落として、来年上げれば、選挙で支持を得やすい。

昨日の記事も参考に。




9月以降はぜんぜん期待できない。
1、追加関税の影響がもろに出る、第三四半期の発表が10月。
2、一時休戦後に双方とも納得できる程、歩み寄るとは思えない。その場合再戦。
3、くしくも、ブレグジットの結末も。首相は強硬派のジョンソン前外相になる予定。
ちなみこれらは、よく見ると昨年末とまったく同じ構図だと読み取れる。2018年末に何が起こったか、忘れた人はいるまい。

アメリカが課した25%の追加関税は、「アメリカ人が自分の首を絞めるだけだ」と言った論調もあるが、これは間違い。たしかに、中国製品の値段は関税分高くなり、それを購入する最終消費者が支払うことになるため、アメリカ人が関税を支払うかの様に見えるかもしれない。個人の財布から見れば確かにこの通りで、個人の財布からお金が出て行き、政府の財布に入る。しかし、アメリカを一つの財布として見た場合、差し引きゼロで、なんら変わらないことが分かる。つまり関税を支払うのはアメリカではない。

では割りを食うのは誰か?もちろん中国の輸出製造業であり、中国政府であり、中国である。そもそもアメリカの最終消費者は、関税のかからない他の国から輸入するだけで、関税の掛かった割高な製品の購入を避けることが出来る。つまり中国製品の魅力であった、価格競争力は失われる。企業のサプライチェーンから中国が外されれば、中国にとっては、堪ったもんじゃない。つまり関税は国境にまたがる障壁として作用する(関税障壁)。

輸出製造業に従事する雇用が失われ、失業者が増える。貿易で稼いできたのに、稼げなくなる。人口14億人とも言われ、アメリカと同規模の世界第3位の国土を誇り、資源大国とも言われるが、14億人の人口を養うには、エネルギーや食料を大量に調達する必要がある。外貨を獲得する手段が乏しくなれば、国を挙げての投資政策である一帯一路の運営にも支障を来たす。今までの莫大な対米からの貿易黒字を再投資することで運営してきたのだから。逆に他の東南アジアの国々では、アメリカとの貿易関係を築き、中国の影響力をそぐ好機となる。中国の横暴とも思える、海外進出に一定の歯止めを掛けることに。





中国は苦しいだろう。すでに景気に陰りが見え、追い討ちを掛けるように、追加関税で輸出が振るわなくなれば、脆弱な内需だけでは、国内景気を支えきれない。その国内にも住宅バブルの後遺症で、雇用を維持する力などなく、逆に外需に頼りたいところ。しかしながら、世界第二位の経済規模を誇り、飛ぶ鳥を落とす勢いの中国がプライドを捨ててまで、貿易戦争を終わらせるために譲歩するとは思えない。譲歩などすれば、アメリカ製の財やサービスを購入することになり、今までの海賊ビジネスが成り立たなくなるし、貿易黒字も削られる。また元の切り上げなども要求され、どちらにせよ、輸出製造業の重しとなる。

つまり、中国に引くという選択肢はなく、アメリカから少しでも良い条件を勝ち取るという選択肢しか残されていないのである。しかしそれこそ、少しでも中国の経済力や軍事力、影響力を殺ぎたいアメリカの戦略でもある。アメリカとしては、中国に依存しすぎた、サプライチェーンを再構築したいし、中国製品の依存度を下げ、国際マーケットから中国製品の影響力を排除したいはず。これは、ドル経済圏を一帯一路で脅かす、中華経済圏の封じ込めである。
冷戦の構図がソ連から中国に移り米中冷戦となっただけで、何ら変わりがない、今日も世界は平常運転とも取れるが。。。

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