2019/06/19

投資初心者必見!ママさん清掃員と天才トレーダーの話




こちらの記事のキャロリンが、
あまりに可哀想だったので、
逆バージョンを勝手に作成。
りんり先生、ごめんなさい。。

キャロリンが可哀想だろ。
勝たせてやれよwwwww。



ママさん清掃員の不運
今回は、とある米国の清掃員と天才トレーダーの話を紹介します。
5歳と6歳の子供の母親であり、離婚歴もあるキャサリンさんは
1985年、「両親の交通事故死」という突然の不運に見舞われます。

ピンチの後にチャンスあり
しかし、事故の後キャサリンさんには二つの幸運が舞い込みます。
一つ目は、遺産としてボロアパートと6000ドルを手に入れたこと。
もう一つは、彼女が清掃していたのは29年間1度も損を出したことがない、天才トレーダー、エドワード・ソープのファンドだった事です。


She has a dream (原文は一人称単数のShe have a dream)
キャサリンは思います。
「そのお金を運用して、将来、5歳と6歳の子供たちを大学に通わせるために使いたい」と

そして彼女は行動を起こします。
毎週毎週ソープ氏の元を訪れては「投資を、オススメの投資を教えてください!」とすがったそうです。


秘密のポートフォリオは「バークシャー」
実はソープ氏は気さくな人物で、「どうすればいい?」と聞かれたら
家族にも友達にも部下にも、おすすめの株式(この頃はバークシャー)を勧めていたそうです。


ですが、それには少し条件がありました。
バークシャーの株が長期保有に向いていて、不確実性が大きいと理解できる人のみに教えていたそうです。

一方で投資の理屈がわからない人や、大きな株価の下落を怖がる人には薦めなかったそうです。

ご覧の通り、ソープ氏からアドバイスを受け、1985年からバークシャーに長期投資をしていた方々は今頃かなりの資産を築いていることでしょう。





「だが断る」
キャサリンさんは株も投資も全く知らなかったため、ソープ氏はきっぱり断ります。
「それでも叶えたい夢がある」
しかし、母の力は強く、ついにソープ氏も折れてしまいます。
「買ったら私に相談せずに絶対に売らないこと」という約束の元、バークシャー株を教えます。


さらにソープ氏は、キャサリンさんのために、拠出金と運用益が非課税或いは課税繰延べの税制上の特典があるIRA(あいら)の活用を勧め、BRK.A株を2500ドルで2株保有することになります。

課税優遇部分を59歳半以前に引き出すと10%の罰金を課せられるが、10年以上先の子供の教育資金を見越せば、普通に積み立てるより、年金の性格が強いIRAの非課税枠で運用したほうが得だと、ソープ氏の先見の明があったようです。さすが天才ギャンブラー、ブラックジャックの必勝方程式、カードカウンティングを発明しただけのことはある。


(これは至れり尽くせりですね。ソープ氏優しすぎです)



その後も、キャサリンさんは清掃員の仕事を続け、また相続したボロアパートのお陰で、家賃を払わなくてすみ、そのお金を浪費することなく、慎ましい生活ながらも、無駄使いをせずコツコツ積み立てて行きます。



勘の良い方や米国投資の方なら、何となくオチにお気づきかと思います。
そう、キャサリンさん(全くの初心者)が「1985年」の米国で株式投資を始めたのです。

「1987年 10月 その時、キャサリンさんが動いた」
いよいよ、今日のその時がやって参ります。
本日のその時は1987年10月、後にブラックマンデーと呼ばれる大暴落が起きた月です。


ソープ氏は気になり、キャサリンさんに尋ねます。
するとキャサリンの口から飛び出たのは、
大暴落後のほぼ最安値である約2600ドル付近で
「買い増しを検討している」
という、ソープ氏ですらびっくりする言葉でした。


それから、16年後の2003年、キャサリンさんの子供が大学を卒業するの春
バークシャーは1株7万ドル前後で取引されていました。

そしてキャサリンさんの手元のIRA(あいら、個人退職口座)には、暴落の前後に買い増した、3株を加えた、計5株のBRK.A株が残ったままでした。そもそも、ソープ氏を通して取引していたため、売買の方法が分からず、また経済ニュースを気にかけるような学歴や性格では無く、また日々の忙しさから、株価を気に掛けることも無く、ずっと放置されていたのが功を奏したようです。

結局、上の子供は、母の苦労を知っていたため、非常に勉強熱心で成績優秀だったため、返済不要の奨学金を得て、大学の博士課程まで進み、その後はそれなりの所に就職。

下の子供は、勉強は出来なかったが、非常にやんちゃで、スポーツが得意だったことから、逞しく、そして連帯感が強く育ち、また正義感が強かったことから、大学には行かず、高校卒業後は自治体の消防署に勤務することになります。

子供二人とも、就職後はすぐにIRAと普通口座でインデックスに投資を始め、現在では、子供の教育費や、老後の不安、2000万円問題とは無縁な生活を送っているようです。

ちなみに、給与所得は上の子供の方が多いようですが、資産額は下の子供の方がかなり多いようです。
これは、
1、ドットコムバブル崩壊後の安いところから積み立てを始めた。
2、就職後も親元に暫くいたため、その分を投資に回せた。
3、運用期間が長く取れた。

このエピソードから投資を始めたばかりの方や初心者の方がこの話から学べることは非常に多いと思います。また、誰かに投資を教える方や、情報を伝える側、私自身も少し考えさせられる話でした。


賢者は他人の成功から学ぶと言います。幸運も、素晴らしい人の縁も、将来の夢も、一時の感情による間違いと、合理性を欠いた行動を避けるだけで、学歴や知識とは関係なく、掴むことができます。

みなさんもこのキャサリンさんの成功談から
是非何か学び取って、今後の投資に活かして頂けたら幸いです。

最後に2019年、現在のキャサリンさんです。
子供が独立し、2007年時点で60万ドルの資産があったため、キャサリンさんは、IRAの10%の罰金を払ってでも解約して、その資金を利回り5%の10年物米国債で運用しながら生活できると考え、さっさとセミリタイアします。

しかしその後、リーマンショックが起き株価は大幅下落、債券が買われ債券利回りが大幅下落(価格は上昇)。そして、債券とDIAの利回りが逆転したため、再び利回りの高い株式市場に投資することにしました。上昇した債券を売り払い、暴落したDIAを買い付け。

現在では、この時のDIAを保有し続けながら、孫にも恵まれ、なに不自由ない悠々自適な生活を送っているそうです。ちなみに資産は400万ドル(4億4000万)ほどです。また今でも当時のボロアパートに住み続けているのですが、町の発展とともに開発が進み、かなり資産価値が生まれ、それが彼女の資産に反映されているようです。


彼女は言います。
「投資なんて簡単」

そんな彼女の最近の悩みは相続税。
孫のお小遣いにと、孫の証券口座でインデックスを積み立てている模様。

BRK.A、月足チャート

10年物米国債利回り、月足チャート


DIA、月足チャート





債券価格と金利の関係については、この記事も参照

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