2019/05/30

金融リテラシー、あなたはお持ち?



最近良く使われる「金融リテラシー」。
これは造語で、最近作られた言葉。
あの泣く子も黙るウィキペディアにすらない。
もともとリテラシーとは、識字のことを言う。
識字とは、文字を読み書きし、
理解できること、またその能力。

今でこそ識字は、保有して当たり前の様な、
世の中になっているが、これは最近の話。
識字が必須になったのは、産業革命以降。
これは、就学率や産業の発展と密接に関係がある。
それ以前は学校に行き、文字を読み書きできるだけで、
かなりの上流階級と言える。

歴史の教科書で、産業革命のころの児童労働が、
描かれた絵を見たことがある人もいるだろう。
狭い炭鉱で、石炭を積んだトロッコを、
一日12時間も牽引する描写を。
19世紀初頭でも行われていたらしい。

英国で義務教育が行われる様になったのは、
ビクトリア朝の19世紀後半以降、
産業の発展にリテラシーが必要不可欠になってから。
それ以前は、もちろん識字率は低く、
大の大人が子供に、手紙や新聞を呼んでもらったりしている
描写を映画などで、見た事がある人もいるだろう。
大文字と小文字を合わせても52文字しかない、
英語でもこのありさま。
(作業マニュアルとか面倒くせー。自由にやらせろ。)

開国後の明治、産業革命をいち早く取り入れ、
他のアジア諸国以上に発展出来たのは、他の国より、
識字率が高かったのが、一因だと言われている。
欧米の技術を、吸収するためには、
読み、書き、算盤が必要不可欠だったと。
もちろんそれだけでは発展できない。
産業には集約された労働者が必要だし、
都市には、必要な物資を供給するシステムや、
それを維持できる高度な社会が必要。
都市に安定して食料や水を供給するには、
灌漑農業や水道による治水が必要。
読み、書き、算盤、製鉄、治水などが、
日本と他のアジア、アフリカ諸国を分けたと言われている。
今後21世紀はどうなるであろうか?





リテラシーに金融を組み合わせたものが、金融リテラシー。
金融を理解し、その知識を行動に反映させること。
金融庁のサイトには「最低限身に付けるべき金融」として、
こうある、、、
1、家計管理
2、生活設計
3、金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
4、外部の知見の適切な活用

大別すれば、計画性と知識に基ずく。
家計管理は短期的な計画性、
生活設計は長期的な計画性、
まずはこれを持つ事が大切だろう。
計画性がなければ、知識など無意味。
行き当たりばったりで、将来的に難しい戦いになりそう。

計画性により、資金が捻出出来るようになれば、
次は知識が必要だろう。
金融庁は、金融、経済、会計の知識と言っているが、
これが出来れば、苦労はしない。
『金融リテラシーを身に付けるためには、
知識の習得に加え、健全な家計管理・生活設計の習慣化、
金融商品の適切な利用選択に必要な着眼点等の習得、
必要な場合のアドバイスの活用などが重要です。』
だそうだ。。。

そもそも、金融庁の管轄下の銀行などが、
全然消費者に寄与しない、投資信託や金融商品を売っている。
私利私欲では、銀行に手数料が入るだけで、
社会の発展にも、個人の発展にも寄与せず、
双方とも不幸な未来に陥りそう。
銀行預金もタンス貯金も、なんら経済発展に貢献しない。
にも関わらず、金融資産と言えば貯金が大半。
「貯金から投資へ」は号令だけで、遅々として進まず。

今後必要になってくるのは、やはり教育だろう。
なぜ投資が必要なのか?
もちろん個人が資産を増やすだけではなく、
社会の発展、国の発展に必要だから。
もし企業に投資すれば、企業は雇用を作り、
新たな雇用は、新たな消費者を作る。
また投資家は、投資の見返りに配当を得る。
みんなで我慢してジリ貧になるのは頂けない。



不適切な金融商品が出回り、株主軽視が続けば、
いつまで経っても、お金が投資に回らない。
投資すれば損をするのだがら。
まずは個人の金融知識よりも、環境の整備が先だろう。
個人の能力ありきで、投資を推進しようにも、
金融、会計、統計、経済などの知識を
持ち合わせている人などいない。
やはり適切な商品、適切な環境を整備した上で、
投資の浸透を図るべきで。
その後、少しずつ知識を増やしていけばよい。

昔の識字がそうであったように、
金融リテラシーも今後の発展に必要不可欠になりそう。
で金融リテラシーが何かと言えば、
やはり計画性と、統計に基づいた合理的な判断を、
下せるかどうかになりそう。

さあ金融庁よ、財務省よ、
まずはあなた方から金融リテラシーを持ってくれ。
収入より支出が多いなら、支出を身の丈に合わせる必要がある。

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