2019/08/22

英政府の機密文書が流出、物流面の悪影響は避けられず



今回の流出は、ジョンソン政権に取っては打撃。そもそもブレグジットのマイナス面は隠しておき、プラス面のみを強調してきた。しかしながらブレグジットのマイナス面も浮かび上がってきたことで、さらにEU残留派との問題は紛糾しそう。しかしながら、国境が閉鎖されれば物流に混乱をきたす事は容易に想像でき、大方の予想通りと言えなくもない。

また流出した文章にようれば、3ヶ月程度は大きく落ち込むことが書かれていたが、経済が低迷するため、需要が低迷することで物流も落ち込み、必要な供給に対してそこまで落ち込むとは思えず。原油や石油製品の需要も、景気が落ち込めば低迷する。







中国の7月の貿易統計から対EUは10月のハードブレグジットを控え、国境が混乱に陥る前に大きく在庫を積み増している模様。中国で生産された商品は、行き先別に細かく選別されて欧州に向かう訳ではなく、大型コンテナ船でまとめてヨーロッパに入り、そこから再度積み替えられる。欧州の玄関口、ロッテルダムは世界に誇るコンテナ港。今でこそ1位のコンテナ取扱量を中国の港に譲ったが、それでもヨーロッパでは依然1位の取扱量で、ヨーロッパ向けの商品は1度ここで陸揚げされ、再度目的地ごとに振り分けられる。

もしここでEUと英国の国境が突如しまれば大混乱に陥るのは必死。今の内に備えておくのは至極当然のことで、8月もこの流れが続きそう。中国から直接英国に持ってくにしても、サプライチェーンの変更はそう簡単にはいかない。また20フィートコンテナを2万個以上積める大型のコンテナ船(2万TEUとも)だからこそ、規模の経済が働き輸送費を抑えられるが、小さく纏めたり、また欧州側と英国側で通関や関税などの事務の手間が増せば、どちらにせよ輸送費の上昇は免れない。

もうね、12月の初旬には、大陸側の港で混乱が発生し、コンテナが積み上がっている様子が目に浮かぶ訳で、農作物なんかは、腐るに任せ、大陸側では出荷待ちの行列。海を渡った英国でも通関、検疫で行列。異臭を放つコンテナなんて検疫を通る訳も無く、引き取り手が現われず、腐った農作物がドーバー海峡を往来。もちろん大陸に戻してもそこでも受け取り拒否。船は行き場を失い、商品、運賃、料金の支払いで揉めに揉める。で英国のスーパーでは生鮮食品から徐々に品薄、値上げ。世界一の農業製品輸出国のアメリカが漁夫の利を得る。車両、機械類では日本がドイツに取って代わって、、、、ここまで見えた。。。。





メイ氏はEUに譲歩しすぎた。外交の敗北を意味する離脱協定案を議会が可決するわけがない。説得するべきは、英議会ではなくEUの方。まあEUもイタリアなどがドミノ倒しで脱退するのを避けるため、見せしめとして、ある程度の制裁は課したいわけで。。一度このまま脱退して、痛み分けで経済が落ちた後、双方歩み寄るのが関の山。EUも英国も経済的インパクトは小さくしたいわけで。。かといって現時点では双方とも譲歩できる状況になく、埋まることのない溝が。 

やはりブレグジットは避けられないかな?経済的に逼迫すれば、ある程度双方に恩恵をもたらす自由貿易は支持されやすい。しかし今は無理。EUの言い分ももっともで、分担金は払わず経済的なメリットのみを享受するのは受け入れ難い。切羽詰ればそんなこと言ってられなくなる。EUを主導する独仏、貿易依存度の高いドイツ経済は、国境が閉まった時のダメージが甚大で、ころっと掌を返しそう。フランスも英国に行く旅行者が、TGVでパリまで流れてこなくなるときつそう。で結局英国の言い分がある程度通り、経済活動の国境は低くなりそうだが。まあハードブレグジットで一度死んだ後だけど。。





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