2019/08/05

所詮テクニカル、されどテクニカル、NY指数の展望




FOMCのタカ派な対応と、トランプ大統領の9月からの追加関税を受け、NY指数は世界経済を巻き込みながら下落傾向。現在のSP500は直近の高値からマイナス5%ほどだが、為替も円高に傾いたため、ボラリティーが高いグロースや高PERの銘柄を保有している投資家の円建て評価は、高値からマイナス10%ほどと言ったところだろう。

未だに現金を保有している投資家も多く、この水準だとちょうど買う機会を伺うことになりそう。しばらくもみ合って現金を燃焼させた後が本命。もちろんこのまま下げてもおかしくないが、この場合の底は浅くなり、V字になって戻ってきそう。一番投資家に取って嫌なのは、やはり反発を繰り返し期待を抱かせながら、少しずつ下げていく相場だろう。この場合損切りがしづらく、また資金を早々に燃焼してしまいがちなため、その後は手の付けようが無い。一度資金が燃焼されれば、あとは損失確定の我慢大会。大会が最高潮になって損失を確定し、その損失を補うためにブル三倍などのレバレッジ型で、下落に賭けたり、ヘッジを入れ出すころが底か?





今後、起こりうることは、、、
1、今回の下落は一時的な下落で、上昇相場は継続。そもそも10年あれば、指数の勝率は八割。つまり8年は上昇。常に上昇に掛けるのが資産を最大化する最適解。そもそもドルコスト平均でやっているなら継続すればいいし、指数の積み立ても同様。

2、短期的な下落トレンド、18年2月や18年末、そして今年5月同様。景気の明確な後退や、信用の収縮、失業率の上昇は共なわない。直近の下落トレンドの場合、アンダーウォーター期間は7ヶ月弱、つまり高値を付けた後下落し、次の高値を更新するまでの期間が7ヶ月。
18年2月の場合、ボトムを付けたのが高値から約2週間後。昨年末の場合3ヶ月。そして今年の5月は一月の下落相場を演じた。もし今回が下落トレンドだった場合、ボトムまで早くても2週間から3ヶ月。次の高値更新まで7ヶ月は掛かりそう。今回は日足の移動平均線を大きく割っているため、早くてももう一週間、遅ければ3ヶ月は見ておくべし。
9月、10月のFOMCや、10月末が期限のブレグジットの行方、25%の追加関税がGDPに与える影響が顕著になる10月末の米第三四半期GDP速報。つまりこっから3ヶ月とは10月末の、悪いニュースしか聞こえてこない、最悪な局面になってもおかしくない。

3、景気後退を伴う下落トレンド。
10年に一度くらいの頻度で発生する。中央銀行の金利操作や政府の政策に起因するジュグラー循環。企業の設備投資や、個人のマイホーム需要に与える影響が大きいため、信用創造、収縮を伴う経済の主要波動。もしGDPが大幅な減速、マイナス成長、2四半期連続の悪化や、失業率の2四半期ほどの継続的な悪化が見られれば、回復まで時間は掛かる。この場合、ボトムまでは半年から2年。高値奪還までは、2年から4年くらい掛かりそう。





今回の下落は2と3の間くらいになりそう。まず世界中の株式を見渡してもバブルとは言い難い。そのため「山高ければ、谷深し」とは成り難く、山は低いし、谷も浅くなりそう。
では「短期的な下落で終わるか?」と聞かれれば、これも無さそう。若干の失業率の悪化や景気後退が伴い、株価は大きく落ち込まないが、長く浅くなりそう。。また昨年末と違い、すでに景気は減速しているため、株価の下支えとなる好調な景気や企業の業績は難しい。

周りを見渡せば、いまだかなり楽観的。ジョン・テンプルトン卿の言葉を借りれば、『強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』。今回は「利下げでさらに株価が上がる」などといった声が多かったため、楽観的だったとみてとれる。





今年このまま景気が落ち込めば、19年の決算が悪いことを織り込み、株価は来年2月の決算期辺りまで低迷することになる。事実リーマンショックの時もボトムは2月あたりまで、決算を織り込みに低迷し、悪い決算が続くころから反発しだした。19年の決算期以降は、トランプ大統領が選挙対策を打ち出してくる可能性が高いため、今から株価が下落しても期間は3ヶ月から6ヶ月で、遅くても来年3月あたりからは大統領選が意識されそう。

この場合、チャートから読み取れる下落幅は、やはり月足トレンド下限の2500になりそう。昨年末の下落もこのトレンドラインの下限で反発している。
SP500、日足チャート





今後のSP500のチャート上の転換点は、、、
1、2750あたりで前回のボトム、もしくは節目の2800辺り。この辺でリバウンドやもみ合い、また上昇トレンドに復帰する可能性も。またこの水準は週足の移動平均線があるため、支持される可能性も。

2、2600~2650あたりで、昨年末の10月、11月はここを下限に揉み合った。この水準は、かなりの割安感を伴うので、資金が入りやすく、空売りの買戻しが入る可能性も。

3、2500、月足のトレンドラインの下限、このサポートは硬い。11年欧州債務危機、2016年年初も、18年末もここで止められた。また月足の50日移動平均もここにあり、これを超えるのは難しそう。すでに昨年末が大底で今後ボラリティーが低下していき三角持合いになる可能性すらある。

4、2400、18年末の下落の底。ダブルボトムやトリプルボトムで転換する可能性が。直近の底は誰しもが意識する、すべてのSP500チャートはここにサポートの線が引かれてある。
また直近高値と安値、3000と2400の間の2700も半値戻しとして、少なからず意識される。





今後訪れる暦上の転換点は、、、
1、9月FOMC、しかしこの水準は中途半端。言い方を変えれば弱い。

2、10月末のFOMC、6月から発動された追加関税の影響をもろに受けるため弱いであろ米第三四半期GDPが直前にあり、また8月、9月で雇用統計にほころびが見られれば、Fedは大胆な政策をしてくる可能性も。またブレグジットの行方が決定的になるのがこのころで、7月末が高値だった場合、そこから起算して3ヶ月目の節目となる。

3、12月最後のFOMC、ここでも経済指標に綻びが見られれば、大胆な緩和政策が期待できるが、昨年末に指数が20%下落してもFedは利上げを行った。余程の経済の減速が必要。また年末の確定売りや、クリスマス前の手仕舞い売りが膨らめば、18年末のような結果になる可能性も。

4、2020年2月、今後景気が低迷していった場合、悪いニュースが連発するのが、この時間帯。19年米GDP、そして企業決算、景気が落ち込めば期待できない。しかしその後は大統領が選挙対策で、パウエル議長を小突き回しながら、経済、株価を浮上させてくる可能性が。





お勧めの記事です。
今年五月の下落相場、


過去記事なんて誰も読まないが、かなり先まで考えて記事にしています。






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