7月の輸出は、市場予想前年比2.0%減に対して3.3%増加。一方、輸入は前年比5.6%減少し、内需の弱さを浮き彫りにした(市場予想8.3%減)。7月の対米輸出は前年比6.5%減、米国からの輸入は19.1%減だった。
対米は縮小、原因はもちろん追加関税。— 難波のあきんど (@akinainohibi) August 8, 2019
中国7月輸出は予想外の増加、3月以来の高い伸び 輸入は減少 https://t.co/fuIRQEJrAN
追加関税の影響で対米は輸出入とも大幅は減速。しかしながら対EUやアセアン諸国向けが堅調に推移。今回の輸出の大幅な伸びは手放しに歓迎できるものではなく、どこかで反動が出る可能性が高いと見る。また輸入が減速したことから、中国景気は以前減速傾向であることに変わり無い。
対EUは10月のハードブレグジットを控え、国境が混乱に陥る前に大きく在庫を積み増している模様。中国で生産された商品は、行き先別に細かく選別されて欧州に向かう訳ではなく、大型コンテナ船でまとめてヨーロッパに入り、そこから再度積み替えられる。欧州の玄関口、ロッテルダムは世界に誇るコンテナ港。今でこそ1位のコンテナ取扱量を中国の港に譲ったが、それでもヨーロッパでは依然1位の取扱量で、ヨーロッパ向けの商品は1度ここで陸揚げされ、再度目的地ごとに振り分けられる。
もしここでEUと英国の国境が突如しまれば大混乱に陥るのは必死。今の内に備えておくのは至極当然のことで、8月もこの流れが続きそう。中国から直接英国に持ってくにしても、サプライチェーンの変更はそう簡単にはいかない。また20フィートコンテナを2万個以上積める大型のコンテナ船(2万TEUとも)だからこそ、規模の経済が働き輸送費を抑えられるが、小さく纏めたり、また欧州側と英国側で通関や関税などの事務の手間が増せば、どちらにせよ輸送費の上昇は免れない。
一方のアセアン諸国では、順調にアメリカ企業による中国の代替先として、サプライチェーンの構築が進んでいる模様。つまり中国からアメリカに直接渡るのではなく、中国からベトナムに材料や生産設備を送り、ベトナムで製品を仕上げた後、アメリカに渡っている模様。言い方を変えればアメリカ向けがアセアン諸国向けに振り返られただけとも。また産地偽装などで、中国で生産された物を、ベトナムの港を経由するだけで、何もせずにアメリカに向かい、再度アメリカを怒らせることになる予感。関税分を差し引いても、中国での生産にメリットがあれば、そのまま関税分を吸収しながら米中の貿易が継続する。
9月からの追加関税で、この流れは今後も継続しそう。つまり中国は追加関税でサプライチェーンから外され、その代わりにアセアン諸国が組み込まれそう。しかしながらアセアン諸国が安泰かと言えば、そうでもない。結局のところ製造業が集約している中国での生産の方がメリットが大きく、小さい国の集まりで同じことをしようとしても、言葉や国境の壁が立ちはだかり、また先に生産拠点を構築した中国の後塵を拝むことになりそう。規模の経済や産業の集積、産業のすそ野は、製造面で優位に働く。
今後の転換点は、英国のブレグジットとアメリカがくしゃみをすること。まずアメリカがクシャミをすれば、世界が風邪を引く。つまりアメリカが減速すれば、それ以上に残された世界のダメージが大きい。今のところアセアン諸国は順調にアメリカの需要を補っているようだが、これは一変する可能性が高い。また英国のハードブレグジットが決定すれば、今のところ順調なヨーロッパと中国の貿易も、大幅に減速する。
今回の7月の中国貿易統計は、駆け込み需要で、未来の需要の先取りといった半面が強く、「強かったから良かった」ではなく、今後の暗い未来を暗示していると言える。対ヨーロッパも対ASEANもいつその反動が出てもおかしくない。製品の需要が一定なら、大きく在庫を積み増し貯金を作れば、次はその貯金を取り崩すため、他の月に反動が出る。反動が出るのがいつかは分からないがそう遠くないだろう。
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