2021/06/09

【冗談?】エルサルバドルでBTCが法定通貨に






「ご冗談でしょう?ファインマンさん。」と言ってしまいたくなるのも無理は無い。あんだけボラリティの激しい仮想通貨が法定通貨になろうものなら、そもそもその国の経済は破綻していると言っても過言ではない。つまり国民が自国の通貨を信用していない訳だ。




調べてみたら案の定、エルサルバドルは自国の通貨を持たず、米ドルが国内で流通しているとの事。ジンバブエドルやベネズエラペソと同じ軌跡を辿ったのだろう。つまり、財政ファイナンスしまくって、通貨を刷りまくって最終的に紙くずとなり、国民に見捨てられ放棄するに至ったと。




もともと米ドルがエルサルバドルの法定通貨として存在していたが、そこに今回BTCが法定通貨として加わる事に。ただし法定通貨に定められただけで、市中で使えるのは米ドルだし、今後流通するのも米ドルだろう。そもそもBTCは日常の買い物などでの決済通貨としては実用的ではない。








BTCはもっぱら海外に出稼ぎに行っているエルサルバドル人が国内の家族に送金したりする際に使われるくらいだろう。銀行やウエスタンユニオンは手数料が高い。そしてあとは地下経済や脱税など、中央政府や他の人に知られたくない決済用途として使われる公算だ。




中南米、麻薬生産の一大拠点だ。BTCが活躍するのも想像に難くない。しかしながら現金、それも多額の米ドルは怖い。ならばBTCなら一安心だ。政府の目も欺けるし、セキュリティー対策も万全。そして麻薬をアメリカに密輸し、その売上を直接送金することも用意だ。




シルクロードを通る過程で香辛料の値段が、同じ重さのゴールドと同じ価値になる時代も終わりを告げる訳だ。つまりアメリカに行くまでの過程で、陸路ならグアテマラとメキシコ、カリブ海の航路を取るならホンジュラスなどのカルテルを中継しながらどんどん値段が釣り上がり、最終的にサルバドーレに渡るお金が雀の涙だった時代も終わり。









今後は中抜き業者には、通行料や輸送代金を払うだけですむ。最終的なアメリカでの売上を全て直接BTCでサルバドルに送金すればいいのだから。つまり既存の銀行を介したり、現金を遠い道のりを運ぶ必要もなく、またアメリカ政府の監視も及ばない。BTCはエルサルバドルには完璧な通貨なのだ。




またエルサルバドル政府に取っても格好の外貨獲得手段だ。何百万人の移民労働者からの仕送りも、BTCなら現地の銀行に手数料を取られる事もなく送金出来る。そして汚いお金だったとしても、現地政府(アメリカ)に知られる事もなくサルバドルまでなんなく送金できる。銀行ならそうはいかない。つまりエルサルバドルにとってはBTCは好都合なのだ。とくに複数の国を跨ぐ汚い資金のやり取りには。。。。





そして今回の件でBTCの価格が上がったり、またその価値が安定しボラリティが減少したりというようなことは無い。なぜなら今まで起きていた事が、今後は政府公認で行われるだけだからだ。「ところでファインマンさん、紅茶にはレモン、それともミルク、どちらを入れましょうか?」「え?両方?」





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