2019/09/16

サウジドローン攻撃で原油急騰、漁夫の利を得るのは他の産油国



原油、月足チャート

板の薄い時間外では15%ほど上昇したようだが、現在は10%ほどの上昇に留まる。もちろん週足でみれば大した上げ幅でないことが分かる。14年の高値から1年半ほどの下落相場後、半値まで戻したが上値は重く、ボラリティーがどんどん失われていく。因みに月足で見ると14年の高値も、リーマンショック前の原油高の時の半値戻しだったことが分かる。

原油低迷の根本的な理由としてアメリカのシェールオイルの台等やソーラー発電などの代替エネルギーの存在が上げられる。シェールオイルも直ぐに無くなる様なものではないのでし、ソーラー発電もますます盛んになりそうなので、原油価格は長期的に低迷しそう。しかも温暖化や環境問題の槍玉に上がり、オイルメジャーの株価は長期的に低迷することになりそう。もちろん今回の事件で一時的に大きく上値を伸ばすだろうが、サウジは歳入を原油の販売に頼っていると思われるので、回復するのは時間の問題か?



アメリカは報復を示唆。風の噂によればイランが怪しいらしいが、どう考えてもアメリカがイランに介入するための口実を探しているとしか思えない。アメリカに擦り寄るサウジを快く思っていない組織は多いので、ドローン攻撃が国家の仕業と考えるのは時期尚早。まあ何時も通り、アルカイダや原理主義者、過激派などの仕業と思われる。同じイスラムの国でありながらサウジと仲が悪く、2017年に国交断然に至ったカタールなどは喜んで居そう。

つまり怪しいのは、イランに介入したいアメリカ、問題児のイランとカタール、そして定石の過激派のテロ組織となる。一応、隣国のイエメンの反政府組織が犯行声明を出したようだが真相はいかに?地下から湧き出る泥水利権にあり付けなかった連中は、武力に物を言わせるわな。あぶく銭を巡って醜態の争いといったところか?もしくは泥沼の遺産相続問題か?



イスラムは我々から見れば同じだが、決して一枚岩ではなく、いろいろな信仰に分派される。よく聞く戒律に厳格なスンニー派や柔軟な姿勢を示すシーア派など。。。もちろん金が絡めば対立は激化する。イランイラク戦争や湾岸戦争も全部オイルマネーが事の発端。石油さえ出なければ中東は平和だったのに。資源があれば豊かになれるとは限らない。小数の利権に絡めた階級だけが豪勢な生活を送れると。また石油埋蔵量が世界一のベネズエラなんかはさらに悲惨。

今後の原油価格の見通しは、徐々に沈静化することで基の水準まで戻りそう。1バレル55ドル前後となる。そもそも在庫が多すぎて、タンカーにまで石油をストックしている状態なのに、需要過多になるとは思えず、今後も供給過多が予想される。そして石油がある限り、中東が平和になることは絶対にないと言える。。。中東に平和が訪れるより、アメリカが南部と北部に分裂する方が確立が高そう。



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