2019/09/19

FOMC通過、今回の決定は妥当な選択、経済情勢のおさらい



いつものことながら数字の裏を取ってなく、記憶に基づいて書くので悪しからず。。

今回のFOMCでFRBは0,25の利下げを決定。これによりFF金利は1,75~2,00となる。やはり事前の予想通り、今回の決定はFRB理事の間で意見が真っ二つ割れた模様。

投票権を持つ10人のうち3人が0.25%の利下げに反対。1人は0.5%の大幅利下げを主張し、2人が据え置きを求めた。注目はFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)から追加利下げへのヒントを探りたいところだったが、ドット・プロットの中央値は2019年末も2020年末も1.875%とこの日決定した水準と変わらずとなっていた。中央値だけから見れば追加利下げは見込まれていない。https://news.finance.yahoo.co.jpより

事前予想はこちら



つまり0,25の利下げに賛成だったのは5人で、FRB理事の中で6人が利下げに賛成、一人は0,5の利下げを主張したとある。第二四半期GDPが減速していることを考えれば、今後さらに減速する可能性が高いが、現状の株高や安定した雇用などを考慮に入れれば、今回の予防的措置は妥当と言える。

逆に0,5の利下げが行われた場合、景気の更なる減速傾向をFRBが認めたことになり、市場はFedの決定を深刻に受け止め、下げていた可能性も。そして利下げが行われなかった場合、市場の期待に答えられなかったタカ派なFedに失望し、株価は下げていた可能性が。今回の決定を市場はハト派でもタカ派でもなく中立的と捕らえたようだが、前回、前々回のFOMC後は、株式は下げに転じているので、現時点での市場の反応は不明。特に前回は議長の会見後は安定を保っていたが、翌日からはかなり下げている。

6月から中国製品の半数が25%の関税に引き上げられ、第二四半期は6月末で〆になるので影響を受けるのは6月単月となるが、第三四半期は全面的に影響を受けることになる。さらに9月からは、全ての中国製品に関税が掛けられたので、第三四半期GDPは期待し難い。奇しくも第三四半期の〆は9月末で、あと10日ほどとなる。そして第三四半期GDP速報が出るのが10月末となるだろう。



市場は今年0,75の利下げを期待していたようだが、FRBがそれに合わせるのではく、直前に市場がFedの意向に鞘寄せされた形で、金利は上昇、債券価格は下落。
10年物米国債金利チャート

ここの読者にはヘッジするなら日本円で取るように何度も言ってきたので、債券やゴールドでリスクヘッジを取っている方はいないだろう。しかしながらブログ村では度々、債券ETFなどを通してリスクヘッジしている投資家が見受けられた。金利が上昇しているので、債券価格は下落していることになる。



そもそも上昇に掛け続けるのが資産を増大させるコツで、上昇に掛けた時の勝率は80%、債券でヘッジして下落に掛けた場合の勝率は20%と、どう考えても割りにあわない。せめてもの救いは、最近若干円安に触れたことで、ドル建ての資産がかさ上げされたことくらい。

FF金利の中央値が1,875、そして10年物の金利が1,78。ちょっと前まで10年物は1,5を下回っていたので市場は大分Fedの声に耳を傾けたといえる。ただしFF金利と10年物金利は別の商品であることを留意。しかし大抵の場合インフレにリスクプレミアムを足した水準となる。またFF金利とインフレが同水準を前後しているので、現状は引き締めでも緩和的でもなく、中立的な水準と言える。もしFF金利がインフレを下回れば緩和的だが。。

さて、2019年6月の名目成長率は4%、そして実質では2%だったことは記憶に新しい。つまりインフレは2%辺りを推移していることになる。そしてイールドカーブのフラット化が謳われる今日この頃、安全資産である米国債はどれも同じような利回りと言えよう。インフレが2,0%なのに金利が1,78%、つまり安全な債券に投資すればする程、逆ザヤのマイナスリターンとなる。もちろん数字は増えているが、インフレ率以下では、実質的には減っていると言える。(数字若干盛ってあります。しかし債権投資は分が悪いことを判って頂ければ。。。)



残念な投資家は「リスクヘッジ」と言って債券に投資していたようだが、今後どうするのだろうか?金利が上昇したことで、債券価格は下落、損失を抱えている可能性がある。大抵の場合、懸命な判断が出来ずに、身動きが取れないのだが。。

もしレバレッジ型の債券に投資して「少ない資金で3倍のヘッジ効果がある」とか言っていたら、もう目も当てられない。逆ザヤのマイナスリターンにレバレッジとかwwwwww。そもそもレバレッジ型は信託手数料が高く、金利分全部持ってかれるので、もはや債券でも何でも無く投機商品。ここまでくると喜劇を通り越して悲劇的。

1、20%と割りに合わない下落に賭け続ける。
2、インフレ以下の金利で、逆ざやのマイナスリターンに焼かれ続ける。。
3、逆相関の債券でポートフォリオの値動きをマイルドになどと詭弁を述べる。。。目的は資産を増やすことなのに。。。。

逆に懸命な投資家は、円でヘッジをして損失を抱えることもなく、逆ザヤに焼かれることも無く、減速傾向の景気に市場が吸い寄せられるのを気長に待っていることだろう。何度も言うがドル建ての債券では、急激なリスクオフの場合、為替リスクを相殺できない可能性があり、金利が付く前に円高に焼かれる可能性がある。またゴールドの場合、価値は保存できるが、金利を生まない。つまりヘッジをするならポートフォリオの10%から40%を円で持てば良い。まあ持ち過ぎるのも考えものだが。。



今回の決定に某大統領は大変ご立腹な様子。

もちろんこれはもし景気が悪くなった場合に備えて、FRBに責任を擦り付けている。つまりトランプ氏が大統領選に備えて保険を取っていると言える。景気が悪くなれば時の政権は批判に晒されるので、それをFRBの責任にしとけば、トランプ批判は和らぐ。果たして大統領は選挙まで株価を維持するのだろうか?私には一度踊り場を作り、大統領選に備えて再上昇させ、民衆から高評価を頂いた方が簡単に思える。。。

FOMCの日程

今年残されたFOMCはあと2回。第三四半期GDPは期待できず、崩れる時はドカッと行く。そして米中貿易戦争、ブレグジット、減速する世界景気、疎まれるイランと問題は何一つ片付いていない。。。



お勧めの記事


お帰りはこちらから ランキングサイト
  にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村





0 件のコメント:

コメントを投稿