2021/05/17

【受難の時】ARKKの様なグロース系は終わり臭い







週足の移動平均線を完全に下抜けたBTCやARKK。上場したばかりのCOINも安値を更新中で、600ドル当たりで何度か反発していたTSLAも遂にその水準を割り完全に小型グロースのバブルは終わった感。そもそも今回の小型グロースが大暴騰した経緯は、アメリカ政府やFedによる財政出動もそうだが、TSLA株に起因する所が大きい。




TSLA株が大暴騰したことで、次のTSLA株を探す動きが市場で活発化し、まずはEV関連が暴騰し始め、その後は全固体電池などその周辺銘柄。そしてそれ以外のSAASやSPAC、マリファナ関連、バイデン政権の政策関連へと波及した。最後にそれらの資金が向かった先はBTCだった訳だが、今回の下落で週足75日移動平均線を割りポツダム宣言。





TSLAが割安とか、訳の分からん事をまことしやかに言い始める論調が増えた当たりで、最大限に織り込まれたっぽい。つまり欲しい人にはすべて行き渡り、これ以上欲しい人が居ない状態まで買われた訳だ。しかしここに来て週足の移動平均線を割り込んだ事で、今回の調整は長引く可能性が高い。








それこそGAFAMやNASDAQあたりも暫くは重そう。GAFAMも昨年1月のコロナショック前の高値から2倍から3倍と大きく上昇している。これはコロナによる自宅待機の特需があった訳だが、今後もこの流れが続くとは限らない。そもそもいい加減外に出たいしステイホームも飽きてきた。





そして株価は2倍、3倍と上がったが、業績が2倍、3倍となった訳ではない。株価が上がったのは業績の向上もさる事ながら、金利の低下によってもたらされた面が大きい。これは割引き現在価値と言われる概念で、現在の価値を計算するにあたり未来の収益から金利分を差し引いて計算するからだ。



皆さんもご存知の通り複利の力は強烈だ。借金が雪だるま式で増えることが、GAFAMなどの価値を算出するにあたり、金利の低下でその価値が雪だるま式で増えたのだ。もちろん金利の低下は、コロナショックによる一時的な経済の停滞によってもたらされた事でその影響が未来永劫続く訳がない。






金利の上昇傾向は継続だし、インフレも増加傾向だ。また下落傾向にあるハイテクグロースが移動平均線の下で推移している間は弱気相場は継続する。トレンドとは継続するからトレンドだ。それでもダウやSP500は資金流入過多になりやすい。市場には緩和マネーがまだまだ存在するからだ。これらの資金は、市場の中でより割安でより安全なところへと流れつくからだ。




どの程度グロース株の株価が下がれば、業績の安定した銘柄と成長性が買われている銘柄との整合性が保たれるかは簡単で、それはもちろんコロナショック前の水準にインフレや金利を加味した水準だ。つまりコロナ前にSP500のPERが24だった場合、GAFAM.COMなどの成長性が買われている銘柄のPERは36だが、インフレや金利がその当時以上になれば指数とグロースの乖離は縮まる。それが現在進行系で起こっていることだ。





しかし最終的な勝者は、指数でもグロースでもバリューでもない。インフレを製品価格やサービスに転嫁できる企業となるだろう。インフレによる株価の低迷は短期的な傾向であり、長期的にはインフレ分株価も上がるし、企業の業績もインフレ分を転嫁出来るなら上がるからだ。今弱いグロースは低迷している時こそ買い進めるべきで、市場が過熱し、皆がこぞって買っている時に付和雷同で買うべきではない。






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