NY株式指数は大幅高(除く、タバコ銘柄)。金利は上昇して債券価格は下落、またゴールドや金鉱株も下落。完全にリスクオンの展開。下落に賭けていた投資家を焼き尽くす。米中協議に対するトランプ氏のツイートが、市場に好感された模様。
The three major U.S. stock market indexes rose as investors expected good news from the trade talks between the U.S. and China. President Donald Trump tweeted that “good things are happening.”
米側は15日から2500億ドル分の中国製品の関税率を25%から30%に引き上げると表明しており、協議の結果を受けてトランプ氏が関税上げの見送りを表明するかどうかが注目される。
さて、今のところは順調な様だが来週の見通しは不明。トランプ氏の行動パターンから考えて、突如暗転する可能性も無きにしも非ず。そもそも幾度となく楽観と悲観を繰り返してきた。また今まで課した関税が据え置かれれば、来週の関税の引き上げが回避されたとしても 、経済に与えるインパクトはそのまま残されることに。まさか今までに課した関税が引き下げられるとは思わないが。
中国政府の焦りも見られる。サプライチェーンから中国外しで輸出産業が振るわず、すでに足元から崩れる中国経済。また急にアメリカから穀物の輸入が減少したため、人民元安も相まって食料事情に不安が。さらなる関税の引き上げだけは避けたい模様。中国国内でも香港のデモなど政情不安。いろいろな要因が積み重なれば、経済に暗い影を落とす可能性も。
また欧州では、英EU離脱を巡る楽観的な見方が市場全体に波及。
10日には英国のジョンソン首相とアイルランドのバラッカー首相が会談し、英国のEU離脱を巡り、合意に向けた道筋が見いだせるとの見解で一致。
そしてFRBのパウエル議長は、再び資産の買取を表明。今回の資産買取は金融機関同士の短期資金のやりとりに流動性も持たせるのが目的で、必ずしもベースマネーの拡大を意図した景気の下支えという訳ではない。パウエル氏も量的緩和と混同しない様に釘を刺していたが、市場は取り敢えず好感。っていうか市場理解してなくね?
今回の資産の買取を個人に例えれば、銀行口座にお金があるにも関わらず、財布に現金が無いため買い物が出来ない自体を避ける為に、預金を下ろして財布に現金を移転する行為と言える。つまり流動性も持たせるために、FRBが金融機関から債権を買い取ると。
因みに量的緩和を個人の財布に例えれば、個人の預金残高を増やし、また財布にも現金を捻じ込み、お金でジャブジャブにする行為と言える。つまり現金を刷って、国債や社債、あらゆる債権を買い取ると。。。
結果だけを見れば、双方ともFRBの資産が拡大するため、バランスシートの拡大が再び始まった様に見えるが中身は違う。
今週続いた好意的なニュースで、SP500指数は節目の日足50日移動平均線を大きく突破。取り敢えず障害物は除去された格好だが、投資家の不安は残された状態と言える。世界的な景気後退を打破できる決定打になるとは、個人的には思えないが。。。
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