2019/10/16

チューリップバブル崩壊



チューリップwww

フランシス・ドレイクがスペインの無敵艦隊を破り凋落するスペイン(1588)。破ったイギリスも産業革命前夜で生産性にはそれほど差が無かった時代、いち早く風力を動力源として製材所を立ち上げ巨大船や軍艦を建造、張り巡らされた運河や水路で大量輸送を可能にした、覇権国家オランダ、オランダ海上帝国黄金時代、現在のトルコ周辺からもたらされたチューリップの球根が今回の主役。

17世紀初めはコロンブスの新大陸発見(1492)から1世紀以上経つとはいえ、遠く海外から渡って来た外来品は、当時は希少価値が高く高値で取引されていた。同じ重さの金と同じ価値とも言われ、大航海の本来の目的でもあった胡椒(香辛料)と構図は同じ。そう人類はその欲望のために航海に出ていった。

チューリップ・バブル、当時オスマン帝国からもたらされたばかりであったチューリップ球根の価格が異常に高騰し、突然に下降した期間を指す。チューリップ・バブルのピーク時であった1637年3月には、1個当たり、熟練した職人の年収の10倍以上の価格で販売されるチューリップ球根も複数存在した。



バブル崩壊からすでに4世紀、未だに価値の下落が止まらずww。仮想通貨の未来ですwww。

時は進み現在、オランダに過去の栄光の面影などなく、唯一残されたのが世界一背の高い民族であるという若干の栄誉と、テオ・ヤンセン氏のビースト機構、ファン・ニステルローイ、価値を失ったチューリップである。少しでも高値で売り抜きたい気持ちも分かるが、もはやチューリップに価値など無く、ババ抜きはすでに終了。ババを処分するには、もはや騙すしかないのが実情ww。咲くことの無い球根が殆どで、袋の内容量も誤魔化すと。。。それにしても花の咲く確立が1%以下とかwwww。



因みに生物学的には、チューリップは大変面白い。今回の花が咲かない球根はこれが一因。そもそも1年目から花が咲くと思っている消費者も悪いが。チューリップは初年から花を咲かせる楽で簡単な園芸品ではない。球根が小さい場合、少しずつ球根を育てる必要がる。毎年、春になると芽を出すが、花が咲くとは限らない。まずは栄養を蓄え、球根を大きくし、何年か経過した後に、やっとのことで花を咲かせる。つまり芽は出し葉が茂るが、夏になると枯れ、また次の年芽を出して徐々に成長していく。一年目に花を咲かせずに枯れたとしても、死んだ訳ではなく、夏の間休眠しているにすぎない。

チューリップの球根は玉ねぎに似ていて層が重なっているとか、食べられるとか、食べられないとか、毒があるとか、毒がないとかwww。。。

因みにチューリップの球根は完全にクローンとなる。つまり球根を育て大きくなり、それが分かれた場合の球根は同じ遺伝子を持つクローンとなる。チューリップは球根を育て数を増やしていくと思われがちだが、正しくもあり、間違いでもある。チューリップには当たり前だが種も存在し、種からも育てることが出来る。因みに種はクローンではなく、両親の遺伝子を受け継いだ交配で出来る。



なぜチューリップは種から育てないのか?それは生産性の問題で、花を咲かせるまでに途方も無い年月が掛かるため。一説によれば10年とか、そしてそこまで育つ確立も低く、また種が出来る確立も低い。ていうかそもそも普通は種が出来ない。

なぜチューリップはそもそも種を作らないのか?これは自家不和合性という性質にある。つまり両親の遺伝子が同じ場合、種が出来ないことを意味する。殆どが球根で増殖したクローンであるため、同じ遺伝子同士では交配が出来ず、種は出来ないことになる。

つまりチューリップを種から育てる場合、花が咲くことは期待出来ず、花を目的として植物を買うことが人類の目的ならば、チューリップは球根で育てる選択肢しかない。つまり種を買う人間などいないと。春を楽しむためにチューリップを植えるのに、花が咲かないならそもそも植えない。



今回オランダのチューリップ販売が、花が咲かない詐欺の様な書かれ方をしているが、チューリップとはそういうもの。この記事を書いた記者には知る由も無いが、決して詐欺ではない。内容量を誤魔化すステルス値上げはどこもやっているわけでwww。詐欺を詐欺と見抜けない人間にチューリップを育てるのは難しいwww。

オランダ人が背の高いのは、背が高い人同士が交配していけば当然の帰結で、キリンの首が長いのも、象の鼻が長いのも同じ成り行きといえる。そしてチューリップ、クローンなら同じ性質になるが交配できず、交配するには両親の遺伝子が異なる必要がある。生物とは大変良く出来ていると言える。遺伝的多様性は重要で、それが無ければ自然淘汰により絶滅する可能性が高い。進化の過程で遺伝的多様性は、環境の変化に適応するための選択肢を増やすため、子孫を残す確立が高いと言える。



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