2019/07/17

7月末のFOMC予想




2週間後に控えたFOMC、巷では利下げが噂され、また利下げ期待から直近の株式指数はどこも堅調に推移している。しかしながら目下経済は堅調で、雇用統計などの指標も、利下げによる下支えが必要だとは思わせない。またFOMC直前に発表される米第二四半期GDP速報が今後の行方を左右しそう。と言う訳で、4つのシナリオからFedの対応を予測。

因みに前回の記事はこちら




米五月の貿易統計はこちら






1、第二四半期GDPが堅調。
5月の米貿易統計は、関税引き上げ前の駆け込み需要で堅調に推移し、この流れが6月も続けば、貿易面で支えられた経済は、第二四半期GDPが堅調という形で現れる。

2、第二四半期GDPは第一四半期から横ばい。
6月の貿易統計は、前半は良かったものの、後半から関税の影響を受け徐々に失速。しかしながら、5月の膨れ上がった貿易が経済を下支えし、4月~6月末の通期では、それほどの影響を感じさせず、年率換算で3%ほどの前期と同程度のGDPに落ち着く。

3、第二四半期GDPは若干の減速。
やはり関税引き上げの影響は避けられず、6月以降は減速。しかしながら5月まで非常に堅調に推移していたお陰で、6月の減速が和らげられ、4月~6月末の通期ではそれほどの減速には至らず。

4、第二四半期GDPは大幅な悪化。
関税引き上げの影響をもろに受け、輸出入とも低迷。また企業は不透明感が漂う中、設備投資を控えたため、貿易、設備投資などが振るわず、家計消費も頭打ちで、経済は大幅な減速を見せる。





FRB当局者の発言をまとめると、年内1回の利下げか、0,5%の利下げでインフレ目標を達成できるとある。つまり今後利下げをするとなると、、、
1、予防的な措置として、0,5の利下げ。
2、崩れてきたのを確認してから、0,5の利下げ。
3、予防的な措置として、0,25の利下げ。
4、崩れてきたのを確認してから0,25の利下げ。
5、まず予防に0,25の利下げで、崩れたのを確認してから0,25の追加利下げ。
現状を踏まえた上で予想をすると以上のどれかになりそう。もちろん落ち込み具合が激しければ、見通しは変わるが。

当局者の発言







よってもし第二四半期GDPが堅調なら、利下げなしか、予防的に0,25の利下げに留まりそう。またいつでも緩和に動けるスタンスを強調する、口先介入で終わる可能性も。
もしGDPが横ばいなら、取り合えず0,25の利下げで、追加の利下げは今後の経済動向次第となりそう。
もし悪化していた場合、悪化の度合いによるが、0,5ポイントの利下げもありそう。また上記のいかなる場合に置いても、いつでも緩和に動ける口先介入が入りそう。インパクトに勝る実弾は、なるべく温存しておき、それまでは心理的に下支えできる口先のみの介入になりそう。

市場予想は年内に2回の利下げを織り込んでおり、0,25の利下げが2回か、0,5と0,25一回ずつの、0,5~0,75の利下げということになる。Fedの自己申告との乖離は0,25なので、この乖離ならサプライズは起こらなそう。また景気の減速が急なら、市場予想通りにFedの見通しが変わってくる可能性も。その場合、市場予想はさらに急な利下げを織り込んで行くことになるが。。。逆に比較的経済が堅調で、失業率が低いままで推移するなら、市場がFedに刷り合せなければならない。

私の予想は、米第二四半期GDPはそこまで崩れないとみる。しかしながら、米第三四半期GDP7月~9月期は、関税引き上げの影響をもろに受けるため、減速、もしくは大幅な減速、上記のシナリオでは3か4が起きるのではと考える。しかしながら株価の予測となると話は別で、企業の業績の悪化で落ちる局面もあれば、利下げによる景気の持ち直しが期待され上がる局面も出てくる、マチマチな推移になりそう。SP500は節目の3000と前回の底の2400の間をフラフラしそう。今年後半の為替は徐々に円高ドル安に傾きそう。ユーロドルは横ばいかドル高。より安全な通貨への逃避が起こりそう。利下げでバブルになるという声が聞こえるが、これはない。また過去の利下げ局面は、その後の暴落に繋がったので、今後暴落が起こるという意見も聞こえるが、これもない。しばらくは停滞しそう。




金利のもたらす影響はこちらを参照



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