2019/07/31

米中冷戦、中国側は時間稼ぎで次の大統領に期待





6月から25%引き上げられた追加関税。取り敢えず中国は交渉を出来るだけ先延ばしにし、トランプ大統領との不利な合意は避けたい。来年の大統領選で、トランプ氏以外の人が当選し、次の大統領と友好的な関係を築いた上で、譲歩を勝ち取り合意に持って行きたい模様。





しかしながら今回のトランプ氏の発言は、中国側の先延ばしに対して、新たな制裁をチラつかせながら交渉の席に縛り付ける。中国側が期待するトランプ氏の後任は、少なくても今の大統領よりはマシだろうと考えるが、もしトランプ氏が再選した場合、現状以上の譲歩を迫られる可能性も。

中国側の先延ばし作戦は、今後頓挫する可能性が高く、また交渉の席に付かなければ、ジリジリと首を絞められていくことになる。中国はすでに25%に引き上げられた関税で、減税や財政出動を行っても相殺出来ないほど経済が減速傾向で、交渉を遅らせれば企業からサプライチェーンを他の国に切り替えられる可能性も。サプライチェーンを一度切り替えられたら再び中国に戻って来るのは難しい。もちろん中国もこの流れを察知して、製造を他の国に切り替え、中国資本で生産しつつ、メイドインチャイナの貿易摩擦を回避したいが、そのためには時間稼ぎも必要で。。。





時間稼ぎが吉とでるか凶とでるかは分からないが、トランプ氏としては時間稼ぎは許し難い。交渉の席に引きずり出したい模様。取り敢えず中国は口先だけ同調し、合意に至る前に約束を反故にし、交渉を振り出しに戻しながら時間を稼いできたが、前回の関税の引き上げから、今後同じことをするのは難しい。また前回の米中首脳会談で、一時休戦が報じられたが、トランプ大統領は気を長くして待つとは思えない。任期がせまるトランプ大統領と、もう少しで逃げ切れる中国。逃げ切る前に中国経済が崩壊すれば代償は高くつく。また合意までに時間が掛かれば中国産のマーケットシェアが他の国に取って代わられる可能性も。

ドル経済圏を一帯一路政策で脅かす中華経済圏。目先の獲物は双方とも、東南アジアと中央アジアで、中国は中国資本で生産拠点やインフラを整備し物流を抑えたい。対するアメリカは中国抜きで、これらの国のドル依存度を引き上げたい。ドルを貸し付けて生産させ、生産品をドルで買い、支払ったドルは貸し付けたドルに対する利払いとしてアメリカに戻ってくる永久機関。このドル基軸通貨体制に真っ向から挑む中国も、商品を買ってくれるアメリカ経済の依存度や、貿易への依存度が高すぎるため、ドル経済圏を覆すのはしばらく無理そう。





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