2019/07/11

半年振りの売買、今回売却した銘柄と売却に至った理由




昨日の議会証言でFRB議長のハト派よりな声明を好感して、遂に大台の3000を達成したSP500。市場では今回の声明を、7月末のFOMCでFedが利下げに動くための確証と受け取り、緩和的な措置を好感した模様。しかしながらなぜFedが利下げに舵を切ったのかと言えば、それは勿論経済が堅調とは言い難く、経済の下支えが必要だと判断したため。言い方を変えれば経済や企業業績は堅調とは言えず、今後下振れしてくことを示唆している。そしてそれを好感して、上値を伸ばした株式市場は間違っており、同じく上値を伸ばしたゴールドや金鉱株ETFは正しかったといえる。もちろん経済が驚くほど堅調で、企業業績も堅調を維持している可能性も無きにしもあらずだが。

今回売却に至った経緯は、第二四半期決算やGDPの発表前にポジションを軽くしておきたかったことと、チャート推移。そしてどうせSP500は3000の大台を素直に突破することはなく、この辺で若干もみ合うだろうという期待がある。もちろんこの辺を突破すれば、売り方の買戻しが入るため、大きく上昇する可能性があるが、上昇しても落ちてくるだろうという予測がある。今回利下げへの確証が高まったため、しばらくは様子見に徹することになる。もちろん利下げしても直ぐに暴落が起きる訳ではなく、大抵しばらくは堅調に推移するが、結局抗しきれずにその内落ちてくるのがお馴染みのパターン。特に第三四半期はまるまる追加関税の影響がでるので警戒が必要と考える。

売却に至った銘柄は、CPB、GIS、XOM、IBM、Tの5銘柄。すでに一株しか保有していなかった銘柄もあるが、割高感が強かったこれらを処分。しかしながら、アメリカ株に売り時などなかった歴史的経緯から、また割安感が出てきたら買い直す予定。もちろん割安感がなければ他の銘柄を買うまでだが。



まずはCPB、週足チャート

下落トレンドから反転の兆しがあるが、まだ底値を這うように進みそう。44の直近高値で弾かれているので、ここを抜けるのは難しそう。もし下に抜けた場合、トレンドラインの下限である36と下値サポートの32が意識される。配当は3,5%でPERは16なので、割安感は無く、PB商品におされ気味なブランドにしては、これは評価されすぎ。配当が4,5%、PER12前後になれば戻ってくるかも。


GIS週足チャート
下落トレンドから完全に復調している。しかしながらこのチャートでは見られないが月足チャートではここに50日移動平均が横たわるため、一旦弾かれそう。とりあえず16年から2年半に及んだ下落局面は脱したが、しばらくは鍋底を這うように進みそう。この場合ダブル、トリプルボトムを付ける可能性が。CPBと同じで配当は3,5%、PERは16前後で割安感はない。しかしながら業績の安定感は抜群で、長い間に培った信頼がある。もし買うならトレンドラインボトムの42あたり。




XOM週足チャート
ここまで完璧に機能するチャートも珍しいがトレンドラインが下降しており、今は移動平均線の収束地帯。今だ原油はだぶ付いている様だが、イラン問題で原油価格は上昇していたため、このタイミングで一旦お別れ。もし買い直すなら70前後になる。もちろん経済が悪化し、原油需要が後退すれば、原油価格は維持しがたい。もちろんさらに中東で緊張感が増せば、原油は値上がりするが、どこまで需要後退に太刀打ちできるのか?ここにはないが、原油チャートは10年続く下落トレンド。10年前は一バレル140ドル、そしてリーマンからの戻り高値が110、シェールオイルショックからの戻り高値が75。後ろに常にシェールオイルが控えている状態じゃ当面弱そう。次はインド、東南アジアで需要が増せば、また原油価格は復活するが、これは一旦景気後退に入り、アメリカの量的緩和の資金が世界に流れ出すまでは、新興国に投資資金が入ることはなさそう。



IBM週足チャート
13年から6年続く下落トレンド。そろそろ三角持合の最終局面なので、値動きは当面弱そう。しかし月足で見た場合は、ドットコムバブル以降20年続く下落トレンドで、産業構造の転換にまったく着いてこれていない。これは景気サイクルにおける、技術革新に由来するコンドラチェフの波の下降局面。もしこの局面を脱したいなら、革新的な技術の導入で大幅に生産性を上げる必要がある。相当割安感がなければ買い辛い。一応トレンドラインの下限は115。AIやクラウドなどのハイテク分野でGOOGやMSFT、AAPLの後塵を拝む。だったらこれらに投資した方が良いだろう。OSリナックスディストリブューションのレッドハットを買収したが、このご時勢にOSね。25年前にMSFT使って、今になってやり始めても周回遅れ。時代の流れを読む力がない。もちろん家庭用のパソコンではなく、サーバー向けのOSだが、今更感は拭えない。唯一正しかった戦略は、ハード事業を中国のレノボに譲ったこと。物を作るのは新興国にやらしておけば良い訳で。お陰でレノボは個人的に結構好き。





T週足チャート
取り合えず下落トレンドからは脱却したが、V字で反発するとは思えず、しばらくはヨコヨコで推移しそう。リターンではNY指数に常に負け続けてきたため、定期配当収入以外の目的では、手出し無用。通信インフラだけではジリ貧なので、他の収益機会を目指してコンテンツ産業に力を入れている模様。また5G の投資がどの位嵩むかは判らないが、直近のボーダフォンをみていると、不安が付きまとう。この銘柄に配当以外を期待してはならず、もし戻ってくるなら30以下。丁度トレンドラインの下限を狙いたい。

改めて文字にして書いてみたが、すべて下落トレンドの一時的な反発といったところか。指標的に割安ならそのまま保有していたが、割安とは言いがたい。また経済の雲行きが怪しい最中、無理して保有し続けるのも微妙。基本指数が崩れれば、全部崩れるので、その時割安感があれば、また戻ってくるかもね。GISなんかは、ぜんぜん高くないが、情勢が情勢だけに、しばらくは様子見になる。また7月末のFOMCで利下げが空振りに終わった場合、どうなるか予測が付かないし、第二四半期GDPも怪しいので今が踊り場とみる。直近一年の業績が好調だっただけに、もし値を落とせば割安感が漂うが、この割安感は偽りで、今後の業績の悪化を加味していないため、騙されないようにしたい。




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