前回の記事に引き続き、VYMを個別銘柄で取得する場合を考察します。今回は前回の10倍の規模で、5万ドル、500万円分を投資する場合です。このブログを見ている方の中には、現在すべて預貯金だけど今後投資を考えている方や、退職金や不動産の売却、はたまた身内に不幸があり相続した方などがいるかもしれません。今回はそんな方たちに向けた記事になりそうです。
前回の記事です。
ブログの新記事 : 取引手数料値下げの恩恵一番乗り、VYMを個別株で買い付けた場合 https://t.co/BalPG1cMMg https://t.co/HduwpuSgdS July 08, 2019 at 03:47PM雑談, 投資理論— 難波のあきんど (@akinainohibi) 2019年7月8日
今回はさらに保有割合をVYMに近づけるため、10倍の規模からスタート。
5万ドルを投資した場合、一番取得単価の低いイーライリリーの取得額が1015ドルになるので、この程度の規模では、今回の最低手数料の引き下げがまったく寄与しないことが分かります。逆に言えば、もしVYM上位25位のポートフォリオを個別株で目指す場合、手数料負けしないためには、最低でも5万ドル必要ということになります。それが5000ドルで可能になったというところに、今回の最低手数料引き下げの意義があるのかもしれません。
そして取得価格が構成割合通り、概ね一直線上にきれいに並んでいることが分かります。よって保有割合をVYMに近づけたいなら、やはりこの程度の規模が必要かもしれません。5000ドル程度だと、VYMの構成割合通りにならず、デコボコしていましたから。
そして一番保有割合が大きいのがJNJの7,3%で3655ドル分となります。つまり保有割合が一番大きい銘柄ですら7,3%で、非常に分散がなされた優秀なポートフォリオと言えそうです。下位の銘柄は2%程度です。もし均等に買った場合は25銘柄なので、4%ずつになるのですが、上位の銘柄は鬼に金棒の長優秀な一流企業なので、この程度の傾斜は気にする必要がないかも知れないです。
配当は3%なので1500ドルほど。より高配当な銘柄を厚めに買えば、配当を増やすのは簡単ですが、VYMの構成比率とは違ったものになってしまうのが、悩ましいところです。まあもともと上位25銘柄を構成比率通りに投資しただけなので、元から違うのですが。。またこの規模まで行けば、損益通算のために、損失が出ている銘柄を売う意味合いは大きいかもしれません。
またここからさらに10倍の資金である50万ドル、5000万円ほどで投資する場合は、配当は10倍の15000ドル、150万円ほど、一番取得価格が低いイーライリリーの場合、1万ドル程で買い付けることになり、手数料が0,45%の45ドルになるのですが、最高取引手数料が20ドルなのでこの規模までいけば、手数料勝ちすることになります。よって一回の買い付け価格が5000ドルほどが一番割りに合わないかもしれません。50ドルも5000ドルも同じ割合の手数料と言うことになるので、だったら一つの銘柄に多額の資金を投じるよりは、分散の効いた銘柄を広く浅く買うのも良いかもしれません。
因みにこの中には、MOを除くBF太郎銘柄が全て含まれています。これは彼の銘柄選択の優秀さを示しています。なぜならあのバンガードのVYMとの相関性が非常に高いからです。彼に駄目だしするのは、天下のバンガードを否定し、VYMを否定し、同じバンガードの商品であるVOO推しの、投資の神様であるバフェットを否定する様なものかもしれません。BF太郎氏のポートフォリオと同じだと聞くと、VYMを取得する気が失せるのも事実ですが。。。
ただしVYMは優秀とは限らず、DIAの方がリターンが優れており、尚且つシンプルなので、VYMを買うくらいならDIAの方が優秀かもしれないです。また30銘柄に分散され、全ての企業がダウ指数に含まれ(当たり前)、SP100の構成銘柄でもあり(除トラベラーズ、ダウから除外されると言われ続け、次はお前だと言われ続け早20年、意外としぶとい)、SP500の構成銘柄でもあります。またSP500の三分の一はダウ指数を構成する30社です。
ちなみに5万ドルあれば、ダウ指数の構成銘柄を11株ずつ買うだけで、DIAと同様のパフォーマンスを目指せます。あんな面倒臭い保有比率だとか、過去のパフォーマンスだとか、ベンチマークだとか、気にせず同じ枚数を買うだけでいいんですよ。ダウ指数は加重平均ではなく、一株あたりの株価の単純平均なので。それだけで、VYMにもSP500にもリターンで勝てます。なぜならダウ銘柄は、過大評価された割高な株が含まれず、概ね妥当な価格の企業であり、競争力や優位性を持ち、全ての企業が配当を出すためです。正しDIAの分配金はSP500のそれは上回っているのですが、さすがに高配当のVYMには敵いません。
しかしながら、今回の手数料の引き下げで、VYM構成割合上位25位とDIAを50%ずつ同時に個別株で買うといったことが出来るようになったのも事実です。単純にDIAとVYMを買うよりは、手数料は据え置いた状態で投資の選択肢が増え、損益通算や取得単価の調整などの自由度が増えたため、今後個別株でETFのリターンを目指すのも一考です。
ボラリティーが高く、損益通算の選択肢を取りやすい個別株の利点と、波の上下運動を相殺し、値動きが比較的穏やかなETFの利点を同時に受けたいなら、今回の最低取引手数料の引き下げは、手数料を意識する必要が薄れたと言う観点から、意味があったのかもしれません。
ただし、取引手数料を意識する必要が薄れたということは、より少ないコストで取引ができるため、不用意な売買や、射幸心に基づいた投機的な売買に投資家を走らせる危険性があります。また大元である取引手数料の0,45%に変わりがないため、ある程度まとまった資金で投資している人にはまったく恩恵が無いのも事実です。今後も、やはり多くの人が今まで通り、10万円単位や1000ドル単位の金額を定期的に投資していくことになるのではないでしょうか?
お勧めの記事です。現状のマーケットはこんな感じではないでしょうか?
過去記事です— 難波のあきんど (@akinainohibi) 2019年7月8日
難波のあきんどの、今日も商いの日々: 黄昏か、それとも暁なのか? https://t.co/740pXiGtNw
ブログの新記事 : 米5月貿易、輸出入とも増加、しかし2019年第二四半期GDPは減少か? https://t.co/ufdY88tyjE https://t.co/JHAnrL2Jng July 04, 2019 at 12:48PM今後の見通し, 世界経済, 米中冷戦— 難波のあきんど (@akinainohibi) 2019年7月4日
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