2019/07/31

ポンド急落、ハードブレグジットが現実味に





英国の新首相、ジョンソン氏はEUと交渉するつもりは無い様子。合意出来るかはEU次第だと発言。しかしEU側はすでにメイ氏と合意にいたった離脱協定の再交渉は行わないと宣言。この離脱協定は英議会で反対のため否決されており、このままいけば時間切れにより期待通りの結果に終わりそう。

英国は譲歩する必要も無いし、EUを抜けるのにEUの分担金を負担するのはおかしい。またEUとの通商は双方に利益があるにも関わらず、EU側が拒否。その理由が、「負担はしないが経済的な利益だけを得るのが許し難い」というトランプ氏もびっくりな頭の悪そうな理論。もちろん通商は双方に利益がある。。そもそも今まで立場が逆で、負担を英国に押し付け、利益を得ていたのに、立場が逆転した途端、駄々をこねるのはおかしい。EUの外交はおかしく、英国とは通商をせず、アメリカには保護主義だと批判する。





欧州連合という経済実験や、共通通貨という歪んだ構造で、各国の経済実態にそぐわない通貨価値はその内破綻をきたしそう。そもそもソロス氏がポンドを空売りした、ポンド危機も(1992)、実体経済にそぐわない通貨価値を欧州為替相場メカニズムで価格変動を押さえつけ、溜まりに溜まった歪みが決壊した結果おこった。またその帰結として、英国はユーロを導入せずにポンドを使うことになったのだが、通貨価値の歪みは、欧州連合の結束を不安定にする。次はイタリアやスペイン、ギリシァも噂される。

今まで漁夫の利を得てきたドイツだが、利益が大きかった分、逆に動いたときの損失も大きそう。ドイツ銀の債務問題も未だに燻り続ける。もし経済がメルトダウンでも起こし、ドイツ銀の保有する債権の担保価値がなくなれば、多すぎる債務が祟って莫大な不良債権を抱え込み、このままピーする可能性も。





どちらにせよ落ち目のヨーロッパ経済は、覇権を失った英国に限らず、ヨーロッパ全体の問題で、過去の遺産で食いつないでいけるのも時間の問題。そのヨーロッパに依存する中国や旧植民地のアフリカ経済が憂き目に会う可能性も。もちろん経済は呼吸するので、景気が悪くなる国の通貨は売られ、通貨安により産業が息を吹き返すので、不景気の到来は一時的で、その後また好況を謳歌することになるだろうが。。

ポンドドル、週足チャート、大きい三角持合の下限を割りそう。





ポンド安はイギリス経済にとっては、旅行者が増えたり、輸出産業が息を吹き返すため、プラス要因。(イギリスに輸出産業なんかあったっけ?絶滅しているような。。たしか金融立国だったような。)
でポンドで資金を調達している外資系企業にとってはポンド安で返済が軽くなるため、プラスに働く。しかしドル建て債務を抱える英国企業は、ポンド安で負担が重くなるため、マイナスに働く。レイノルズを買ったお前のことだよBTI。このままポンド安に引きずれる形で、英国ADRは停滞しそう。


お勧めの記事です。




0 件のコメント:

コメントを投稿